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志狼と鉄平1

一方、竜蛇に送られて帰った二人は、玄関で立ったままキスをしていた。 家に入った瞬間に鉄平は志狼に口付けられたのだ。 「んんっ」 包み込まれるようにして、志狼に抱きしめられて、深く唇を合わされる。 「しろう……待って、靴脱がなきゃ」 志狼は鉄平を抱き上げ、ぽいぽいと靴を脱がせた。そのまま寝室へと運ばれる。雑に布団を敷き、その上にころんと鉄平を寝かせた。 「あっ。待って、んむぅ」 志狼に覆いかぶされ、またキスされる。志狼はだいぶお酒を飲み、少し酔っているようだった。 志狼のキスは紹興酒の匂いがして、鉄平までくらくらしてしまう。 「……お風呂、はいんないの?」 いつも志狼は風呂が先だった。セックスの前には必ず一緒に入る。 「いい。今すぐお前が欲しい」 男らしいセクシーな声音で囁かれて、鉄平の腰が震えた。Tシャツの中に、いつもより体温の高い志狼の手のひらが入り込み、薄い胸を撫でまわされる。 「あっ」 性急に衣服を乱され、愛撫されて、鉄平の体も熱くなる。 大きな手できゅっと股間を揉まれた。 「ああっ、まって……は、ぁあ」 「タマ……」 ジッパーを下ろされ、まだ反応の薄いペニスをすぐに咥えられた。その熱すぎる口内に、ビクビクっと鉄平の華奢な体が反った。 「そんな……ぁ、急に……やぁ、ああ」 志狼の熱い舌が鉄平のペニスを舐めまわし、唇できつく吸われ、扱かれる。 ちゅぷ…じゅる…と、卑猥な唾液の音が響いて、その音にすら鉄平は感じた。 「あっ、あっ、だめ! おれ……も、いっちゃう……ああ!」 あっけなく鉄平は志狼の口内に射精してしまった。ふるふると腰を震わせ、最後の一滴まで志狼に啜られた。 「はぁ……はぁ……なんで、急に……?」 唾液の糸を引いて、志狼の唇が離れていく。絶頂の余韻に震える鉄平の体を抱きしめ、頬にキスを落としながら言った。 「なんか……いいもんだな、と思って」 「え?」 志狼はトルコブルーの瞳で鉄平を見つめた。 「お前がいるのが当たり前になってる」 鉄平のアッシュグレイの髪を優しく梳いた。 「仕事が終わって、一緒に飯食って、同じ家に帰る。それが、なんかいいなぁと思って」 「しろう」 鉄平の胸がきゅっと切なくなった。顔を上げて、ちゅっと志狼にキスをした。 「明日も一緒にご飯食べようね」 鉄平の言葉に志狼は笑って答えた。それは、とても優しく穏やかな約束で、志狼の胸が温かいもので満たされていく。 「ああ」 志狼は鉄平と唇を合わせ、舌を絡めて深く口付けていく。自分よりもずっと小さな体を抱きしめながら。

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