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第6話
「命様今日は、もうお休みになさってください。」と言うとメイドは部屋から出た。
僕は諒から離れようとした。
「人を狂わせてしまうならいっそ…。」
元々、自分の持ち物などないのだから。
しかし、足枷や手枷が邪魔をして動けない。
自分の部屋の中を行き来するぐらいの長さしかない。
「どうしよう…。」と呟いたときにすごい音をたてて誰かが部屋に入ってきた。
諒だった。
「命‼ 大丈夫なのか?」と汗をかいて息切れをしながら抱きしめてくる。
「命…。ごめんな。俺のせいで。」
「え…。」「村元から全部聞いた。」
何てことだ。逃げれない。
「あの日俺は命が消えてからずっと苦しくて、でも忘れたくなくて…。今まで探し続けてきた。どんなに嫌われようと逃がさないように孕ませた。でもそれが命を追い詰めていくんだって。」「諒…。」
「もう一度だけ、今度は守りきるから‼…愛してる。」諒は必死に涙を溢れさせて今まで見たことのないような悲しい顔をしていた。
「…今もずっと好きだよ。だからお腹に赤ちゃんが出来たときとっても嬉しかった。ねぇ…もう一度噛んで?」「…ああ。」
二人で涙を流しながら、体を求めあった。
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