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第3話
「窓辺に行って」
「え……いやだ。軽いお仕置きなんでしょう?」
「ふうん。ニールの中では窓辺に立つのは重い罰なのか。じゃあ、その場で絨毯に膝立ちになって」
僕はあの人の前に跪いた。
「ニール、僕の靴を舐めるのと、窓辺に行くのと……。早いよ」
言葉が終わらないうちに、靴を舐めようとして伏せると、あの人が足を引いた。
「君の中の罰の重軽を知るための例えだよ。靴を舐められるのは僕の方が嫌だからね。今日はもっと軽い罰だ。まずはニール、僕にご褒美をもらっているところを想像して?」
やさしく体を撫でてくれる手、そしてチュッチュ……と、たくさんのキス。いつもそのことで頭がいっぱいだから、思い出すのは簡単だった。
「僕がいつもやってあげている事を、ニールが自分でしてごらん」
「自分で身体をなでるの?」
「そうだ」
それのどこが罰なのかよくわからない。言われるままおチンチンに手を伸ばした。
「んっっ……んんっ……」
気持ちいい。
こんな固くなってたんだ。おトイレの時につかむのと全然違う。
しかもドクドク脈打ってるのが伝わってくる。
「んっっっ 」
太ももがビクビクする。
やってもらう時より気持ち良さがキツい。
「ニール、お尻は?」
促されればすぐに手が伸びた。
けれどやっぱりやってもらう時よりせわしない。
ゆっくりお尻をなでて……なんてできず、おチンチンをすり立てるのと同じようにお尻の窄まりをクチュクチュとかき混ぜてしまう。
「自分でする時は、いつもそんな風にしてるのかい?」
「いつも?これはご褒美だから、自分ではしないよ?」
なぜかあの人は驚いたように僕を見た。そして頭をなでてくれる。
「そうか。いい子だ」
「バートさま、今日はお仕置きじゃないの?」
「もちろんそうだ。ニールそのまま窓辺で横を向いて立って」
「え………!?」
「自分にご褒美を与えているところを誰かに見られるかもしれない。そういうお仕置きだ」
「あ……や……」
腕を引っ張られ、強引に窓ぎわに立たされた。
「ほら、さっきみたいにしっかりこすって」
「僕、恥ずかしい」
できるだろ?と、励ますように優しく微笑まれてしまった。
けれど僕の手は力なくおチンチンをムニムニと揉み、お尻も指をふれさせただけ。
「しょうがないな、特別に手伝ってあげる」
呆れ顔のあの人が僕の横にしゃがんだ。
「しっかり足を開いて立って」
ぬぷっ。
ヌルヌルの指が僕のお尻に入ってきた。
最近はご褒美の時にこのヌルヌルを毎回使ってくれる。
お尻に入るとツルツルすべる指がすごく気持ちいいんだ。
「ぁん………んうううう」
窓辺なのも忘れて、お尻を突き出し上下に揺すってしまった。
「そうだ。そうやってお尻を振って気持ちよくなってごらん」
一生懸命お尻を振るけど、ご褒美でやってもらう時ほど気持ちよくなれない。
「おチンチンもちゃんと自分でこすって」
「あううう……」
おチンチンもお尻も気持ち良いのはちょっとだけ。してもらう時ほど気持ち良くない。
どんどん熱がたまって、ちゃんと気持ち良くなりたくて仕方がない。
「っっはぁ……はぁっ……バートさまっお願い。気持ち良くして!」
もどかしくて頭がおかしくなりそうだ。
「ダメだ。これはお仕置きだよ?」
「あうううう……いい子になります。はぁっはぁっっ……だからお願い!お願いぃぃ……!」
とうとう僕は、ベソをかき始めてしまった。
「ふむ。ニールには痛いお仕置きより、こちらの方がよほど効果があるようだな」
ぎゅっと抱きしめられると、さっきまでもどかしく、なかなか気持ちよくなれなかったお尻とおチンチンに、なぜかジワン……と気持ち良さがやってきた。
「ぁ……ぁあっっ!」
そしてバートさまがお尻の指を二本に増やし、クッポクッポとこすってくれる。
僕は冷たい窓ガラスにもたれて、バカみたいに自分のおチンチンをこすった。
こんなに激しくしたら、腫れて痛くなっちゃうかも……と、思うのに手が止まらない。
頭の中で何回も火花が散って、膝がガクガクして、泣いてるみたいな悲鳴を上げてしまった。
激し過ぎるくらいに快感が走っているのに、バートさまの手が僕の脇腹や背中をなでると、ジワン……と優しい気持ち良さがきて、胸がキュウっとなった。
バートさま、バートさま、バートさま……。
僕はこの人になら、何をされたって構わない。
もしかしたら僕は、お漏らしを舐めるお仕置きだって、良くできたねって優しく褒められるなら、喜んでしてしまうかもしれない。
今日はお仕置きのはずだった。なのに僕は今までで一番気持ち良くなってしまった。
さらに、初めてオシッコじゃない「男の子のお漏らし」をした。
「男の子のお漏らし」は、ちょっと年上の男の子たちがそう呼んでいただけで、本当は射精って言うんだ。
一度、年下の子が自慢気に出た事があるって言ってたから、僕はかなり遅かったのかもしれない。
舐めて見せてと言われたので、僕は恐る恐る舌をつけ、バートさまを見つめながら、ペチャペチャと舐めた。
本当はちょっとイヤだった。けど、褒めてもらえるとやっぱり嬉しくなる。
今よりずっと小さかったころ、お皿についてたケーキのクリームをペロペロ舐めた時の幸せな気持ちをちょっとだけ思い出した。
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