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第9話
それから僕はみんなと遊ばない日も、バートさまに会いに行けるようになった。
なのに、時々ソニーが一緒だから困る。
ソニーは僕がみんなにしてきたイタズラと同じようなことをしてくるから、お仕置きの時だけは、絶対呼ばないでってバートさまにお願いしている。
でも……。
「ニール、窓際に立って」
ああ、ズボンだけ脱いで窓際に行くように指示されてしまった。
そこに行けば、今日はお仕置きだって知ったソニーが必ずやってくる。
バートさまはソニーが恥ずかしいお仕置きを思いつくのを、ちょっと楽しみにしているみたいなんだ。
「ニール、これを穿いて」
書斎に入ったソニーが差し出したのは、最近僕の家に引き取られてきた女の子の下着だった。
お仕置きとして、ソニーに指示されて盗み出した、色気のない貧乏ったらしいパンツ。
みんなに色目を使うあんな女の下着を盗んだけでも屈辱なのに、それを穿けだなんて。
「ニール、僕が旅に出ている間、君をソニーに任せるんだから、きちんと言う事を聞けるってところを見せて。僕がいない間、いい子にしていられないようじゃ、帰ってきてから可愛がってあげられないよ」
バートさまはしばらく旅に出るらしい。長期間遠くへ行ってしまうだけでも寂しいのに、そう言われてしまえば、従うしかない。
でもこんな屈辱……。
それもこれも、あんな女が僕の家に来たからだ。
ソニーも僕より後から来たあの子を大切にしている。
僕にイヤらしいことをする時、前より優しく、気持ち良くしてくれるようになったのは嬉しいけど、それもあの女を思い浮かべてるせいかもしれないって思うと腹がたつんだ。
僕は野暮ったい女児用のパンツを穿いて、ずり落ちないよう目一杯引っ張った状態で立ちんぼさせられた。
みっともない姿の僕をそのままに、二人は仲良くお喋りをしている。
「未開の地なんて危ないんだから、本当に気をつけて。それから、ニールは淫乱だから僕だけじゃ面倒見きれないと思うんだ。だから仲のいい3人にも使わせるけどいいよね」
「えっ、何を言ってるんだソニー!」
僕は目を剥いたけど、バートさまは平然としている。
「それでニールがいい子になるならね。無茶苦茶な事をしないよう、その友人のこともしっかり管理するんだよ、ソニー」
僕が散々イタズラをした友達の顔が頭に浮かぶ。
ひどい喧嘩をした相手もきっといる。
目に涙が滲んできた。
「何を泣いてるんだ、ニール。お尻を使ってくれる友達が増えるんだよ?」
「ソニーは本当に前向きだな。ニール、ほんの半年の事だ。いい子にしていられたら、これまでよりずっと可愛がってあげるから。みんなからいろんな事を学びなさい」
僕にとってはバートさまの言葉だけが全てだ。
この人の心もあの女に流れているって感じる。
だから余計に……。
「はい。バートさまがそう言うなら。僕、がんばります」
その後すぐソニーに、窓際で大嫌いな女の子の下着を使って自慰するよう、悪趣味な指示をされた。
それも僕はバートさまのために作り笑顔で頑張った。
けど……。
バートさまが旅立つと、ソニーはウチに居座る女の子に心奪われ、僕のことはほったらかし。
僕はどんどんその女の子に意地悪をするようになり、さらにその子を守って気を引きたい友達に引き立て役にされるようになった。
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