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第3話

「知ってるけど…急いでるし、コンビニに用ないから、つか付いてくんな」 あからさまに迷惑そうなアキラを見て少し意地になり話しかける。 「んだよ、俺に対して冷たくねぇ?」 「別に、今、人と話したくない気分だから」 「え?」 「……ハァ」 今日は持病の検査と定期薬を病院に取りに行った帰り、この暑さも相まって先刻から頭痛がして体調が悪くなっていた。 早く帰って休みたかったけれど、だんだんしんどくなってきて、どこか日陰で休もうかと歩いていたらヨシに声をかけられて… 休むに休めない状況に。 「どうかしたのかよ?」 「……ハァ」 話したくないって言ってるだろ!と心で突っ込みながら、そんな元気もなく大きなため息をつく。 その瞬間、眩暈がしてふらっと横に倒れそうになるアキラ。 「っ、アブね、大丈夫かよ?」 咄嗟に肩を支えるヨシ、様子を窺うが… 「っ、大丈夫だから、もう行けって」 アキラはその手を避けるが、まだふらついている。 「いや、大丈夫じゃねぇだろ」 ヨシもそんな状態のアキラをほってはおけなくて…帰るに帰れずいると… 「……ハァ、くそ、」 頑張って家を目指し歩いていたが、眩暈も加わって歩けなくなるアキラ、そんな自分に苛立ち呟く。 「何?具合悪いのかよ、みずきに言ってこようか?」 コンビニで休ませて貰えばいいんじゃね?と思いついたように聞くが… 「ダメ、」 息をつき、ヨシの服を握って止めながらはっきり断る。 「え?」 「みずきには言わなくていい、心配かけるから…」 この状態をみずきが知ったら心配して仕事どころじゃなくなるだろうし、早退なんかされたら困るから…

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