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第5話

日陰で割と風が吹いているため、そこまでは暑くないが… こんなところでよく寝れるな、と感心しつつ、無防備なアキラを放置して帰るわけにもいかず、ヨシとしては早く家に帰って貰いたいのだが… ちらっとアキラを見ると、少しこちらに寄りかかるようにすやすや寝ている。 その美人顔を見て大きなため息。 「ハァ、何やってんだ俺…」 こいつに付き合ってやる義理はねぇけど… 放置して帰ってこいつになんかあったら後味悪いし… 家に帰ったところで1人だからつまらないんだけども… 流石に暑いし、コンビニで買った弁当も涼しいとこで食いたいし… となると、起こすしかないか。 ひとり考えて行動に移すヨシ。 「おい!アキラ!家に帰って寝ろよ寝るなら!!」 「んー、……」 「おい、アキラ?」 反応はあるものの、なかなか目を開けないアキラ。 「ん、……」 「って起きねぇ、」 暑さもありちょっとイラっとして、ヨシは立ち上がり、おもむろにアキラを担ぎ上げる。 身長182㎝のヨシは160㎝弱のアキラを軽々持ち上げる。 「っ!?な、ッ?」 これには眠っていたアキラもびっくりして慌ててヨシの服にしがみつく。 「起きたか?」 ヨシは起きたことを確認してアキラおろし、立たせる。 「ッ、何すんだよバカ!」 状況を理解して怒るアキラ。 「起きねーお前が悪い!」 「にしても起こし方があるだろ!」 「うるせー、お前普通に起こしても起きねーだろーが」 いきなり言い合いになる2人だが… 不意にアキラが俯いて右腕を抑える。

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