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第6話
「ッ!」
急に痛みを訴えるアキラ…
「あ?何だよ」
「ッくそ、腕マヒった」
「え?何?」
「お前が、…急に抱えるから、腕、力入れ過ぎたんだよ」
びっくりしたせいで無意識に力を入れてしまったようだ。
「え?俺のせいだって言うのかよ」
「っ…ハァ、」
「ンなん、知らねーし…」
言い訳を口にするヨシに…
「別にいい、腕つっただけだからすぐ治るし…」
それ以上責めず痛みを我慢する。
「……悪かった、お前の病気のことよく解ってねーんだ」
痛みを堪えているアキラを見ると、ちょっぴり良心が痛んで頭をかきながらバツが悪そうにポツリと謝るヨシ。
「……っ」
珍しく素直に謝るヨシに、反応の仕方がわからないアキラ、俯いて痛みをやり過ごす。
「わざと麻痺させようとか思ってたわけじゃないし…」
さらに伝えてくる。
「別に、いいって言ってるだろ、お前のそばで気を抜いてたオレも悪かったし…」
麻痺した腕をさすりながら…痛みも少し緩和してくる。
「それどういう…」
「言葉のままの意味、オレ少し休んで帰るから、ヨシも帰れよ用事あるだろ」
「別にたいしてねーけど、」
「いいから」
とりあえずヨシがいたら休むに休めない、気にかけてくれてるのは分かるけど、帰宅を勧める。
「分かった分かった、ちゃんと帰れよ?」
「おっけ、飲み物サンキュ、また借りは返すから…」
「おー期待してるわ、じゃな」
心配しつつも、案外しっかり返答してるので、一旦帰ることにするヨシ、自転車まで戻り…
「親父んとこでも行くか」
体調不良のアキラを見て、病気で入院中の父親の様子が気になったヨシ、見舞いに行くため自転車を走らせる。
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