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第7話
そうして数時間が経過する。
日が暮れてすっかり辺りは暗くなっている。
見舞いを終えて、自転車で自宅を目指していたヨシ、ふと先ほどアキラと別れた公園が目に入る。
「……」
まさか、まだ居るわけねーよな、と思いながらも、公園のベンチ脇を自転車で通ってみる。
すると、
「ッ!?ってアキラ?まだ居たのかよ!」
そこには数時間前に別れたアキラがベンチに横になっていた。
「えッ、死んでんじゃねーよな」
ちょっとゾクっとしながら、アキラに声をかけてみる。
「アキラ?おい、アキラ??」
肩を揺さぶってみる。
「…ん、」
すると、反応が…
「あ、生きてた…おい!なんでまだここに居るんだよ」
とりあえず息があったのでほっとしながら揺さぶり起こす。
「んん、…何?」
まだはっきりと覚醒していないアキラ…ポソッと呟く。
「何じゃねーよ、家帰ったんじゃなかったのか?」
「ん?なんで、ヨシ?あれ?」
はっ、と目を覚まして起き上がり首をかしげる。
「寝ぼけてんなよ」
「あ、…オレあのまま寝てたのか」
状況を理解して一人呟く。
「マジか、大丈夫かよ」
あまりの危機感のなさに驚くヨシだが…
「いつの間にか夜になってるし、今何時だろ…」
伸びをしながらマイペースに呟いている。
「夜8時だ、真夏にお前一歩間違えてたら死んでるぜ」
「まあな、これがあったから生きてるのかも」
ヨシにもらったスポーツドリンク、合間に飲んでいたのかだいぶ減っている。
「リアル過ぎて怖いって」
「はは、ヨシはなんでまだここにいるんだ?」
「いや、あの後親父の病院に見舞いに行って帰りがけに気になって見たらお前まだいるし、死んだのかと思ったぜ」
「残念、まだ生きてた」
クスッと冗談っほく笑う。
「つかお前無防備すぎなんだよ、」
「何が」
「こんなとこで寝て、スリとかやられてんじゃねーの?」
公園のベンチで爆睡って…おっさんかよ!と突っ込みたいのを我慢しながら聞く。
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