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第10話
「へいへい、感謝しろよ少しは!」
「ハァ…」
強引なヨシに大きくため息をついてこの状況を紛らわせる為話しかける。
「……つか、重くねぇの?」
「全然重くねぇ、お前肉ついてんのか?軽過ぎだろ、体重何kg?」
速足で歩いて行きながら答える。
「…43だけど、つかなんでお前に体重言わなきゃならないんだよ」
「43!?軽っ、女かよ」
「うるせッ」
「お前に足りないものは肉だ肉!さっきコンビニで唐揚げ買ったからそれやるから帰ったら食えよ」
「いらねぇし」
「わがまま言うなよ、肉食わねーから身体丈夫にならねーんだ!」
「……自分ルール押し付けてくんなよな」
やれやれとため息をつくが…
「いや、一般論だろ」
素早く言い返しながら…立ち止まる。
「ほら、お前んちここだろ?相変わらずでけーな」
医者の家系らしい豪邸を見上げぼやきながら、
公園から歩いてアキラの自宅の裏口まで来てアキラを降ろす。
「…さんきゅ、」
とりあえず運んでもらったお礼をポツリと呟く。
「ほい、唐揚げ」
帰りがけに小腹が空いたように買った鳥の唐揚げを差し出しながら。
「いらないって、それよりちょっと上がっていけよ」
素早くセキュリティキーを解除しながらヨシを誘う。
「ん?珍しいな、何か企んでる?」
「別に、世話になったから、カレー残ってるの食うかと思って」
「余り物かよ」
「いらないなら帰れよ」
「いらないとは言ってないだろ」
冷たくあしらわれると、反発して言い返すヨシ。
「ふ、じゃ黙ってこいよ」
そう敷地に入り、庭を抜けて玄関に向かう。
「いちいち癇に触るなぁ…マジみずきの趣味疑うわ」
「みずきはお前みたいにイライラすること言わないからな」
歩行はややふらふらしているが、返事しているからあまり気にしないようにしてついていくヨシ。
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