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第11話
「別にイライラさせるつもりはねーけど」
「無意識にイライラさせてんなら救いようがないな…」
ポソッと返事を返しながら…
玄関から入り、ヨシをリビングに誘導させる。
「おまッ、人の事言えないくらい俺もイライラさせられてんだけど!」
「オレはわざとやってるからいいんだよ」
「余計タチ悪いわ!」
しれっと話すアキラにツッコミ口調で返すが…
「ハイハイ、そこ座って待ってて」
ヨシには近づかずキッチンの方へ消える。
「このやろー」
軽く交わすアキラを見てポソッと呟き舌打ちする。
ソファに座ろうとした時…
ドサッっとキッチンの方から物音が…
「ん?…アキラ?どうしたんだ?」
物音のした方に歩いて行ってみると…
「ッ、アキラ!?おい!」
そこにはアキラが床に倒れ込んでいた。
「……」
「おいッしっかりしろよ、分かるか??」
慌てて抱き起すヨシ。
「う…」
その呼びかけに、かろうじて意識を戻すアキラ…
「ったく、頭は?倒れた時打ってねぇか?」
意識はあったのでとりあえず安心しながら続けて…
「ん、大丈夫、ごめ、平気だから…」
そう起き上がろうとする。
「大丈夫じゃねぇから倒れたんだろ!もういいから動くなお前は」
抱き上げてソファに移動する。
「……っ」
どうも調子が戻らないアキラ…
「どうする病院行くか?」
「いい、薬飲めば少し良くなるし…カレー冷蔵庫の鍋にあるから温めて食べて」
「カレーはどうでもいいんだよ、薬って?飲んだのか?」
「まだ、」
「どこにあるんだよ」
「……」
そうしていると、また意識が飛ぶアキラ…
「おい!」
「ん…うるさい、大丈夫だから」
ぐったりしながらもなんとか返事する。
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