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第21話

それから一時間ほどの時が流れる。 寝坊助ヨシもようやく目を覚ます。 「ふぁーよく寝た」 大あくびをしながら伸びをして辺りを見渡す。 「アキラは居ないのか、ふぅ、起きるか」 ヨシも三階にある洗面所で朝の支度をして、一階に降りて見る。 「おーい、アキラー?」 「こっち、ようやく起きたのかよ」 ヨシの声に気づいてキッチンの方からやや毒づきながら呼ぶ。 「おう、おはよー、身体はもういいのか?」 ヨシは気にせずキッチンへ顔を出しきく。 「おはよ、ん、もう平気」 頷くアキラは淡い栗色の髪を一つに結んで、食器を洗っている様子。 「何してんだ?」 「朝食の片付け、ヨシは朝飯は?」 アキラは意外と規則正しい生活をしているようだ。 「んー飯はあとで買って食うからいいわ」 「あっそ、なら飲み物どーぞ」 自分ののついでに作った目覚めのコーヒーを手渡す。 「お、気がきく、あと寝床サンキュー、お前もマトモになったし、そろそろ帰るわ」 「オレはずっとマトモだって」 「まだ言ってんのかよ、つか自転車無事かが気がかりだな」 アキラを運ぶ為自転車は公園に置いてきた。一応鍵はかけたが、一晩放置してるから… 「…オレも見に行く、自転車取られてたら弁償するから」 「え、別に来なくてもいいだろ」 「犬の散歩もあるし、嘘ふっかけられたらヤだからな」 わざとらしくそう試すように言うアキラ。 「んなことするかよ」 「いいから行くぞ」 「ハイハイ」 やれやれと息を吐きながらついていく。 そうして玄関から出て庭にやってくる2人。

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