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第4話 元は清かった、野獣の心 2
「野獣先輩、着替えましょうよ」
敬はゆるゆるなTシャツを脱ぐと椅子にかかっていたタオルを腰に巻き、ジーパンを脱いだ。敬の体は引き締まった筋肉とは程遠く、全体的にぽちゃっている。
一方、野獣先輩が白いTシャツを脱げば太く立派な筋肉が顔を覗かせた。薄汚れたピンクのタオルを腰に巻きジャージを脱ぐと綺麗な筋が入った筋肉が隆起する。もちろん、熱も昂ぶっていた。
その熱を押さえ込むように、競技用の水着を着衣する。
「コインロッカー」
また野獣先輩が単語を発した。敬は用意していたサンオイルを渡す。そう、野獣先輩はオイル塗ってやろうか?と言っていたのだ。その塗ってやろうかも、敬の字幕には犯ろうかと翻訳されている。
敬はゲイビデオの中で長年疑問に思っていたことを、野獣先輩にぶつけた。
「ずっと気になっていたんですけど、先輩が後輩に日焼け止めオイルを塗るのは可笑しくないですか?普通、後輩から先輩に塗るものでしょう??」
野獣先輩は、まさか敬にそんな事を言われるなんて思いもしていなくて目をまん丸にした。その通りだと思いつつ台本通りにやらなきゃという思いから行動に移せない。
「でも後輩は寝ちゃってるし」
クークーと気持ち良さそうに寝ている久志。こんなに騒いでいても起きる気配は全くない。敬が飲ませた睡眠薬がよく効いている。
まさにこの状況はゲイビデオのタイトル通り、昏睡レイプだ。
「だから、その為に俺がいるんじゃないですか」
敬は野獣先輩が持っていたサンオイルを引ったくり自らの手に出した。たっぷりと手のひらに出した後、ねちゃねちゃとオイルを絡み合わせて野獣先輩に詰め寄る。
敬の目はマジでイっていた。その異常さに野獣先輩は後ずさり壁にぶち当たる。もう逃げ場を失った野獣先輩は目を瞑った。
敬はフー、フーと鼻息を荒くならしながら野獣先輩に触れる。股間を触りたくなる衝動を抑えて胸をなで回した。
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