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第7話  文:はち須哉太

   じっと伊吹の返事を待つ。  どう返事をしてくるだろうか。冗談だと笑うかもしれない。  もしそうなら…ちょっと複雑かもな。 「僕は、蒼都としたいからオッケー出したんだよ? 蒼都は僕と…セックスしたくないの?」  続いては俺の顔を覗き込んできて大きな目で俺をじっと見つめてくる。  …伊吹は俺と、セックスしたいのか…。  そう言われると嫌な気はしない。  俺のテクニックで、可愛い伊吹をあんあん喘がせてやる。  そしたら伊吹は俺のことを…。  そう思うとなんだかヤル気が漲ってきて俺は力強く伊吹を見つめ返した。 「ーー俺も、したい。伊吹と」  俺の返事に、伊吹はいつものようにふにゃんと顔を綻ばせた。  その笑みにまた心臓がバクバク高鳴る。 …その横で、海乃は悪い笑みを浮かべているとも知らずに。

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