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第11話 文:笹野ことり
「なっ……、い…伊吹ッ……」
(なんで俺が可愛く啼くんだ?伊吹の間違いだろう……?)
視線を落として伊吹の顔を見ると、さっきまでヘラヘラしていたはずが、ニヤリと口元を少し上げ男の顔を覗かせる。
その姿に碧都は体をビクッと震わせた。
今まで見たことのない獲物を捕らえて離さない雄の目をしている。
(く、喰われる……)
本能的に一瞬にして身の危険を感じた碧都は、青い顔をしながら後ろずさりをする。
ドンッ
壁にぶつかり逃げ場を失ってしまい、震えながら声をあげる。
「ち…違うだろう?お、俺が……伊吹を……」
「なに?本当にそんなことを思ってたの?」
「えっ……」
すっかり硬く反り返っていた先端を手のひらで捏ねられた碧都は、甘い刺激に身を捩りながら、熱が中心に集まっていくのを感じていた。
「んッ……は、あんッ……い…いぶ…き…」
「碧都ってば、こんなにギチギチにしてさ、説得力ないよね……。ほら、ここからトロトロ溢れてきてる。かわいい」
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