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第16話  文:めろんぱん

「やめ、やっ…ぁあッ!」 「ふふ、いいの?そんなに声上げて…僕は碧都の可愛い声を聞けて嬉しいけど、海乃に聞こえちゃうよ?」  耳元で囁く伊吹の声が熱い。  伊吹の言葉に慌てて口を塞いだ俺はちらりと脱衣所のドアを見遣る。 「ちょっと伊吹!約束が違う!」  海乃の怒声を聞いているのかいないのか、伊吹は俺の股間を弄る手を止めない。  俺のそこは既にいつ暴発してもおかしくないくらいに硬くなり、とろとろの蜜を零していやらしい音を立てている。  伊吹の手が先端を擦るたびにぴくぴくしながら更に先走りを大量に漏らして、その姿はまるで── 「かわい…碧都のここ、おねだりしてるみたい。」  俺の心をそのまま言葉にした伊吹の低い声に、俺は呆気なく大量の白濁を飛ばした。 「あッ…っ…ふぅ…んんッ…!」  声を上げるまい。  男に手コキされてイかされる声なんて、海乃に聞かれるわけにいかない。  そう思って自分の手で必死に口を押さえた。  声を我慢したせいかイってる間中ガクガクと震えた足は、壊れてしまったみたいにその場に崩れ落ちる。  そんな俺を、伊吹はムカつくことにあっさりと支え、後ろからぺろりと耳殻を舐めて聞いたこともない雄の声でこう囁いた。 「ほらへばらないで。まだ終わりじゃないよ。」

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