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第17話 文:蜜鳥
お尻に、先が丸い棒のようなものが当たる。
ぬるつきのせいで遊んでるみたいに逃げるけど、隙間を狙って何度も擦り付けられるそれは、熱くて硬い伊吹の…。
それが分かっているのに、身体は脱力したままだった。
「まだ…って、何を…」
「分かってるくせに、碧都が僕にしようとした事を、僕が碧都にするんだよ」
「なっ!何言ってんだ、ふざけるなよ」
いつの間に持ち込んだのか分からないチューブの蓋を口に咥え、俺を支えてない方の手で器用に開けてゆく。
それが何かわからないほど俺は鈍感じゃない。
ぷっ、と飛ばした蓋が軽い音を立ててバスルームの床に転がってゆくのを、他人事みたいに横目でみてると、伊吹が言った。
「もう諦めなよ。な、ここがいい?それとも、ベッドに行く?海乃も見たがってるんだよ」
「そうよ!見えない所で勝手に進めないでよ!」
扉の外から間髪入れずに海乃の声がする。
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