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第19話 文:春日すもも
「やっ……もう、いいかげん、に……んッ」
「なに? 早く、挿れてほしいって?」
「ちがっ……! アッ……」
伊吹から逃れようと体をよじったが、構うことなく、その楔は碧都の入口に侵入を始める。
そこから、体がめりめりと裂けていきそうな痛みが伴い、思わず碧都は顔をゆがませた。
「ああ、すごい。ここ、ぴちぴちに広がって、僕を受け入れようとしてるよ」
「ンンッ……アッ……痛っ……!」
「碧都、力抜いてごらん。ほら、息を吐いて、ね?」
伊吹も苦しいのか、息を見出しながら、碧都の耳元で囁く。
いっそ、すぐにでも抜いてくれれば楽になるのに、その選択肢は伊吹にないらしい。
腰を少し引いては、押し進め、ゆっくりと奥へ奥へと伊吹のそれが、碧都の体を貫いていくようだ。
「ハァ……アッ……」
「全部入っちゃったぁ。碧都の、はじめて、僕がもらっちゃっ……た」
「うっ……」
体をぴったりと密着させたまま、伊吹に耳元で囁かれる。
こんなはずじゃなかったのに、と悔しさのせいか、再び涙をこぼす。
泣いている顔を伊吹に見られたくなくて、顔を背ける。
「泣いちゃだめだよ、碧都」
「だって、こんなの……嫌だって……うっ…」
「そんな風に泣かれたら、もっと、いじわるしたくなるだろ?」
「へっ……?」
まだ繋がったままの体を伊吹は抱えながら、バスルームから移動しようとする。
「おまえっ……何すん…」
「ねぇ、海乃のいる扉を挟んで、しよう? 碧都は、かわいい声を我慢できるかなぁ?」
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