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第2話

父がフラワーデザイナーだった影響もあり小さい頃から植物に慣れ親しんでいた。花を育てることに興味を持ち出したのはいつだったかはっきりとは覚えていない。 園芸部に入部したのは中等部に入ったときだった。その時の部長も今目の前でそれぞれの担当場所の説明をしている柏崎だ。先程の冗談は自身に対しても言っていたのだろう。 「……とまあ、大体は中等部と一緒だが高等部には温室が2つ有るんだ。古い方の温室なんだが今は空調設備が止まっていてな。雨風がしのげる程度でほぼほぼ外と変わらん。むしろ寒くなることもあるくらいだ……そこの担当なんだが誰か立候補居るか?」 部長の問いに皆が固まる。温室は年中一定温度に保たれているから比較的立候補が多いが現状の説明で旧温室は候補から外れたらしい。 彼はぐるっと室内を見てため息を一つ吐くと困ったように後ろ頭をかいた。 「前までは俺が担当していたんだがあと半年くらいだしな……」 ん?でも旧温室、って……もしかして……。 腕を組んで部長がなおもうんうんと唸り続ける中、僕はそろりと手を上げた。ああ、視線が痛い。 「……あの、そこの担当やりたいです」 小さい声だったが確かに届いたようで、さっきまでとは一変して部長は嬉しそうに破顔した。

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