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第3話

「そうかそうか!ありがとう藤代。引き継ぎの説明するから後で俺の所に来てくれ」 「分かりました」 その後も流れの説明は続く。他の担当はすぐに決まり、今日は解散して各自場所の確認や先輩部員にレクチャーしてもらうことになった。 部室に残ったのは部長と僕だけだ。本題に移ろうと部長の近くへ寄り声をかけた。 「それで、説明っていうのは……」 「ああ、それなんだが。だいたい温室で育てないといけないものは移動済みでな。残っているのは木々と、俺が自由に育ててる季節の花くらいなんだ」 「そうなんですね……あれ?じゃあ、あまりお世話の引き継ぎないんじゃあ……?」 「ほぼ花の引き継ぎはないぞ」 あっけらかんとした声でそういう部長にますます僕は首を傾げる。 なんのために残らせたんだろう……。 まあ、待てと片手を僕の顔の前に出してストップをかけた。目を瞬かせて部長を見る。話の続きを待っているとしばらくして口を開いた。 「旧温室の中には小さな給湯室がある小屋と休憩出来るスペースがある。前の担当は俺だけ。ちなみに言っておくと給湯室は今も使える……分かるか?」 「……もしかして、部長の私物、大量に置いてますか?」 「御名答。いやあ、いい感じに誰も来ないし静かだから休憩と活動両方あそこでするようになってな。長居するからいろいろ持ち込んだんだ。あ、椅子とかテーブルは元からあったぞ」 そこは断じて違うとばかりに力説する部長に僕はこっそりとため息を吐いた。

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