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第19話

次の日の放課後に訪れた部室で顔を合わせた部長は満面の笑みで僕の肩を叩いてきた。特に何かした記憶もなければ思い当たる節もなく、ただただ困惑する僕を眺めている。 「あの、部長?どうかしました……?」 「よろしくな」 「はい?」 何を?と考えて旧温室のことだろうかと思う。交代した初日にも言っていたのに余程心配なのかなとクスっときた。その割には表情が噛み合ってないのが気になるけど。 「そういや、今日はどうした?なんか育てたい花でもあったか?」 「えっ、ああ……カラーの、できれば……ホットショットが良いんですけど」 「おーちょうど植え付けの時期だしな。いいぞ〜」 咄嗟にそう答えてしまったけど部室に寄ったのは部長が多少はあの人のことを知ってるのではと思ったからだ。正直に言うと蘇芳くんの一言でだいぶ悩みは解消されていて聞くこともなかったのだけど。それになにか知ってるなら部長から話してくるはずだし。 そんなことを考えていたら思い浮かんだ花がそれで胸中で苦笑した。

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