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第22話 side.風見

人の気配があるとどうにも落ち着かない。寮生活自体は中等部の頃からだったが運良く3年間ずっと一人部屋だった。高等部にあがってからも人数の関係でまた1人。そこまでは良かったが、部屋の位置が悪かった。エレベーター付近の人の行き交いが多くなる場所は通りがかりの話し声が聞こえてきてうるさい。その度浅い眠りを邪魔されて起きては寝るを繰り返していた。 その結果見事に寝不足だった。いい加減慣れればいいものをその気配は全くないし治る気もしないからもう半分諦めている。重い頭が弾き出した誰も来ないで寝れる所は旧温室で、らしくもないことをしたのも一緒に思い出された。 あぁ……あんなことするんじゃなかった。 今更後悔したところで向こうは気にもとめてないかもしれない。しかしどう書いたものか分からず気恥しさが伴い警告文のようになったそれに余計に足が遠のいていた。 やめだ、やめ。これ以上ぐだぐだしていても寝れねえことに変わりない。遠巻きにされるなら好都合じゃねえか。 そう思考を打ち切って俺は旧温室へ行ったのだ。

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