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第41話

蘇芳くんの言葉で思い出した僕は胸中複雑だった。約束した時間まではまだあるとはいえ妙に緊張する。 「真咲ちゃんの手紙の相手、他人の世話して関わろうとかするやつちゃうからなあ。まぁ、食堂へは2人なんちゃう?」 「そう、だね」 同室者の言葉に少し残念に思う自分もいて苦笑がもれる。直接会ったところでむこうは顔を知らないから気づかれないだろうし。話しかけられる気もしない。 「えっと、転入生がどうかって話だったよね…五十嵐くん、見た目も衝撃的だったよ」 「へぇ……?」 意外だ、と思っているのが滲むような声色で先を促される。 蘇芳くんも初めに会った時はびっくりしたけど優しいから慣れるのははやかった。 「口元あたりまである前髪と瓶の底みたいな眼鏡をかけててね、声が大きくて凄く元気。でも……」 「うん」 「笑ってるんだけど、笑ってないっていうか、雰囲気が怖くて……初対面だし、パーソナルスペースの問題もあるから気にしすぎかな」 眉を下げて笑う僕に蘇芳くんは1拍置いて肩を叩いてきた。 「……ま、気ぃつけてな。時間大丈夫なん?」 「えっ?やば、準備して行かなきゃ」 壁にかかっている時計を見て僕は慌てて準備をはじめた。

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