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第46話
不意に食堂の入り口が騒がしくなって嫌な予感に進まない箸がさらに進まなくなった。風見くんも察したのか和らいでいた顔をまた顰めている。むしろ先程よりも嫌悪感丸出しで騒がしくなった方をひと睨みして細く息を吐いていた。
風見くん騒がしいの嫌いそうだしなあ……。ああ、現実逃避してる場合じゃない、心做しか騒ぎの原因がこっちに近づいてきている気がする。とてつもなく嫌な予感。
入り口の方に顔を向けた五十嵐くんにつられて一緒に向くとモーセの十戒の如く道をあけられた中を生徒会の皆さんが歩いているのが見える。いつもたたえている笑みは顔を潜めイラついたように隣に立つ会長さんになにやら言っている副会長さん。その後ろには双子である会計の2人と大きい身体を少し丸めた書記さんが続いている。
勢揃いで食堂へ来るのも珍しいらしく親衛隊だろう人達が盛り上がる声が聞こえた。
「あ、」
「……歩!」
不意に声を上げた五十嵐くんと、副会長である二風谷さんが柔らかく微笑んでとても嬉しそうに彼の名前を呼んだのは同時だった。
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