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第50話 side.風見

食堂が煩いのはいつも通りだがあまりにも居心地悪そうに話す藤代は慣れていない様子で、もしかしたらここの利用自体少ないのかと思い当たる。 視線と陰口の渦中なせいもあるか。歩が有無を言わせず一方的に約束して食堂に来たってところだろ。断りきれなそうだし。 会ってからの一連の流れを見た感じそう結論づけて一人納得する。藤代が説明している間に手早く自分の注文をおえて疑念の残る歩の言葉に横を見ると手にしているものに自然と顔を顰めた。 うわ、黒持ちとかめんどくせぇ……。なんでただの転入生がんなもん持ってんだよ。 案の定、遠巻きに見てた親衛隊らしい奴らが騒ぎ始めると更に藤代の顔色が悪くなった。話してる途中に運ばれてきた料理を食べるスピードも遅く、食が進んでいない。対する歩はどこ吹く風で気にすることも無く食べ進んでいる。俺としてはあまり長居したくないのが本音だが歩がすぐに帰るとも思えないし、なにより藤代をせっついてこれ以上萎縮させるのは避けたかった。 生徒会の奴らが来る前に部屋に戻りてえ……。 そう思ったところで出入口付近が騒がしくなり、嫌な予感ほどよく当たるものだと眉を寄せた。

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