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第15話 拒絶
×××
アパートに帰り、寝室に入ってふと気付く。
入口近くにあるデスクのノートパソコンが開き、桜吹雪のスクリーンセーバーが起動していた。
……トン、
思わずタッチパッドに軽く触れると、スクリーンセーバーが消えてホーム画面へと変わる。
「……」
開いたままのフォルダ。その中に、日付でラベリングされたデータが並ぶ。マウスに手を乗せ、その中の一つに矢印を合わせてクリックする。
カチ……
『……ぃやっ、……やめて……!』
突然、音声と共に流れる映像。
ベッド端に固定されたカメラ映像に、仰向けに倒された制服姿の女性が現れ、直ぐに裸の男が組み敷く。
手足をばたつかせ、暴れる彼女。その手首を掴んでベッドに縫い付け、男が首元に顔を埋める。
「……」
なに、これ……
ゾクッと寒気がし、嫌悪感から直ぐに映像を閉じる。……だけどまだ、嫌な感覚が身体の中を渦巻いて消えてくれない。
アダルトビデオ──それも、レイプもの。
マウスを持つ手の指先が、小刻みに震える。
「……」
息を飲み、隣のデータに矢印を合わせてクリックする。
『……ゃ、だっ、!』
『うるせぇ。……少し黙ってろ』
『ぅちに帰してっ………、』
抵抗する制服姿の女性。それを裸の男が押さえ付ける。
場所は──先程と同じ。何処かのアパートの一室。襲われている女性は先程とは違う人物。だけど、襲っている男は……恐らく同一人物。
「……」
これが、本当に合法的なAVなら……悪趣味以外の何物でもない。
数人に身体を押さえ付けられて、輪姦 された時の恐怖が襲い、全身が震え、気持ち悪くなって吐き気を催す。
閉じようと、矢印を×マークに合わせようと動かせば──
「……!」
突如、映像の端から現れたのは、ラフな格好をした背の高い男性。
顔は黒く塗りつぶされ、首から下しか映ってはいないけど──見た事のある背格好と服装に、思わず息を飲む。
……これ……
まさか、ハルオ……?!
泣き叫ぶ彼女の口に布のようなものを詰め込んだ後、持っていたハンディカメラを構え、嫌がる彼女の顔や身体を撮影し始める。
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