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第45話
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……
さっきまでの悲壮感は、感じられない。ヤってやるというギラギラとした執念だけが、この男を突き動かしているように見えた。
「幸い、女みてぇな顔してるし。ちんこを隠して、女とアナルセックスでもしてると思えば、……何とか勃ちそうだぜ……」
腿裏に手を掛けられ、片膝を顔の横まで持ち上げられれば、後孔が男に晒される。
「……」
苦しい体勢に、思わず顔が歪む。
だけど、どんな反応もこの男に与えたくない。
絶対、屈したくはない。
……はぁ、はぁ、はぁ、
その体勢のまま、男がじっと僕を見下ろす。
脳内でモザイク処理でもしているのだろうか。言葉とは裏腹に、僕の肉茎 を隠そうとはしない。
ピクッ……
小さく身体が震え、男の眉間に皺が寄った瞬間──まだ何の準備もされていない窄まりに、男の先端が宛がわれる。
……え……
此処からでは、見えない──けど、いつの間にか男のモノが太く、硬く育っているのが解った。
「……ゃだ、っ!」
抵抗しようにも、ベッドに押し沈める男の腕力は強く。自由な方の足で男の身体を蹴ろうにも、上手く踵が引っ掛かってくれなくて。肘を伸ばし、男を突っぱねようとも……ぴくりとも動かない。
「うるせぇっ!! ヤらねぇと、俺もお前もただじゃ済まねぇんだよ!」
ズンッ──
怒号と共に、容赦なく捩じ込まれる怒張。メリメリと襞が引き裂かれ、激痛が襲う。
「──ぃあ″っ、ぁあ″あ、……!」
「そんぐれぇ、我慢しろやっ!!」
腿裏に掛けた手を外し、僕の額に手のひらを当て、ベットに強く圧し付ける。
憎しみの籠もった舌打ちをした後、胸と胸を重ね合わせ、乱暴に僕の口を唇で塞ぐ。
ズッ、ズッ、ズッ、ズッ……
望まない者同士の性交。
空っぽの身体。
ただ虚しいだけのこの行為を、ただ只管にやり過ごせれば……良かったのに……
「──ッ、!」
ガクガクガクガク……
突然、身体が戦慄く。
と同時に襲う、僕の身体を押さえ付ける手、手、手──
目の前に広がるのは……黴と煙草の臭いが染み付いた、薄暗い溜まり場の部屋。
薄闇に光る、カッターの刃先。
……助けて、ハイジ……
唇を割り開かれ、咥内へと侵入する男の舌先。激しく律動し、ナカを引っ掻き回されながら咥内を弄られれば……目尻から涙が溢れ、こめかみへと伝う。
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