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その時、電話を終えた昂祐が戻ってきた そして、若葉と理巧の距離の近さに、奇妙な顔を見せる 若葉のしなやかな指が 理巧の頬に触れた そして、再び理巧に唇を寄せ 今度は深く口付けをする 「……んっ!」 熱い舌が激しく絡み合い 理巧の口端からお互いの蜜が零れる 男同士のキスなのに 何故か神聖なものの様に感じるのは、若葉の魔力のせいなのか…… その光景に、艶かしい若葉に、昂祐は惹き付けられ息をのんだ 「…若葉さん」 昂祐の言葉に、若葉が理巧から唇を離す 「…何、してんですか……」 そう言って昂祐は喉を鳴らした その様子に、若葉は柔らかい笑顔を昂祐に向ける 「何って、キスだよ 僕のものになるっていう、誓いのキス」 「…はぁ?」 若葉の言葉に昂祐が変な声を上げた 「ふふ…まだ解んない? この子の金を、直接僕が貰うの その方が合理的でしょ?」 驚いた理巧が、若葉を直視した 「…昂祐、早く上納金払ってよ」 若葉の言葉で、昂祐は置かれた状況を理解する 「……ま、待て… おい理巧!何裏切ってんだよ お前、このまま俺から離れられると思うなよ!」 興奮した昂祐は、片っ端から電話をかける しかし、年上とばかりしかつるんでいなかった昂祐に、金を無心できる同級生や後輩は皆無だった 「昂祐、いいバイト紹介してあげよっか…」 急に若葉が悪い顔になる 細身で弱々しい見た目に反し、黒い雰囲気を漂わせ、地獄に突き落とされそうな程の気迫を感じる 「受け子、出し子……それとも…」 若葉が理巧の手から携帯を取り ずい、と昂祐に画面を見せる 『今から昨日の場所に来い 二回目だから金は五千円だ』 「…この子がやってきた身売り」 昂祐はその画面を見て震えた 「あんたみたいに惰性で抱く相手じゃないよ …たっぷり可愛がって貰ってきなよ、待っててやるから」

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