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××× その夜──シティホテルにて。 ひと仕事を終えた若葉は、ヤクザの世界に足を踏み入れたばかりの|大翔《タイガ》と落ち合う。 「人助けなんて、お前らしくねぇな」 ベッドで横たわる若葉に背を向け、黒いシャツの袖を通す大翔が不貞腐れたように言い放つ。 「……別に。僕にそんな趣味はないよ」 何処か遠くを見つめながら、赤く潤んだ唇を動かす。 力のあるものに、有無も言わさず虐げられる──その環境下にあった理玖を、かつての自分と重ね合わせてしまったのだろうか。 「昂祐が、僕を抱きたいってしつこいから」 ふっと笑みを溢し、上体を起こした若葉が細くて長い足をベッドから下ろす。 白磁器のように美しい肌。見事な曲線美。一糸纏わぬ姿のままシャワールームへ向かう若葉を、大翔が背後から抱き締める。 「あの野郎、んな事言ったのか」 「そう。男を抱くのは気色悪いって、さんざん語った上に、……ふっ。男の僕を、金で思い通りにしようとしたから」 「……で、あの報復か」 肩越しに険しい顔を出した大翔が、フンッと鼻で笑う。 「それでこそ、俺の女だな」 若葉を抱く腕に力が籠もり、細くて柔らかな首筋に貪りつく。 「……」 その後。 昂祐と別れた理玖は、勉学に励み、希望した高校に進学。優しい恋人を見つけ、甘酸っぱい青春を送った。 一方の昂祐は、受け子へと転落。何度目かの実行で張り込んでいた刑事にアッサリと捕まり、少年院送りとなった。 [end]

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