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学年で言えば高校二年の若葉は、タイガとビジネスホテルで落ち合っていた 「ふん、人助けなんてお前らしくねぇな」 タイガが若葉に背を向け、服の袖を通しながら言った 「…別に 僕は人助けなんかした覚えはないよ」 力のあるものに虐げられる その環境下にある理巧を 若葉は気まぐれに、かつての自分を重ねてしまっただけなのかもしれない 「昂祐が僕を抱きたいってしつこいから」 そう言い放って若葉はベッドから下りる そして一糸纏わない姿でシャワールームへ行こうとする若葉を、タイガが背後から抱き締めた 「あいつ、そんな事言ったのか」 「うん、男抱くのは気持ち悪いって言った上に この僕を、金で思い通りにしようとしたからね」 「それであの報復か…」 タイガがふん、と鼻で笑う 「それでこそ、俺の女だな」 そして若葉のうなじに唇を当て吸い付いた 「………」 その後 理巧は昂祐と別れ 勉学に励み、甘酸っぱい青春を送った 一方 昂祐は、結局受け子を引き受け 張り込んでいた刑事にあっさりと捕まった 《end》

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