8 / 25
8
学年で言えば高校二年の若葉は、タイガとビジネスホテルで落ち合っていた
「ふん、人助けなんてお前らしくねぇな」
タイガが若葉に背を向け、服の袖を通しながら言った
「…別に
僕は人助けなんかした覚えはないよ」
力のあるものに虐げられる
その環境下にある理巧を
若葉は気まぐれに、かつての自分を重ねてしまっただけなのかもしれない
「昂祐が僕を抱きたいってしつこいから」
そう言い放って若葉はベッドから下りる
そして一糸纏わない姿でシャワールームへ行こうとする若葉を、タイガが背後から抱き締めた
「あいつ、そんな事言ったのか」
「うん、男抱くのは気持ち悪いって言った上に
この僕を、金で思い通りにしようとしたからね」
「それであの報復か…」
タイガがふん、と鼻で笑う
「それでこそ、俺の女だな」
そして若葉のうなじに唇を当て吸い付いた
「………」
その後
理巧は昂祐と別れ
勉学に励み、甘酸っぱい青春を送った
一方
昂祐は、結局受け子を引き受け
張り込んでいた刑事にあっさりと捕まった
《end》
ともだちにシェアしよう!