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少し照れた横顔の達哉
それを見た志津子は、可愛いと思った
そして志津子から手を繋ぐと、達哉の顔が更に赤くなる
デートはいつも休みの昼間で、学生の様な健全なものだった
だけど志津子は、そんなのんびりしたものに、不満が芽生え始めていた
もっと触れたい
もっと近づきたい…
…ガタ
再び物音がする
何ともいえない不安が志津子を襲った
志津子はそっとドアを開ける
…ドキン、ドキン
志津子の心臓が早鐘を打つ
あの時もそうだ
七回目のデートの帰り
ゲリラ豪雨に襲われ
二人ともびしょ濡れになってしまった
まともに受けてしまった為、下着まで濡れてしまう…
周りを見渡すと、少し古びたビジネスホテルが目に止まった
「…あそこに入りましょうか」
指先が震える程緊張しながら
平静を装って志津子が言う
「ええ?!…でも」
「このままだと風邪引いちゃいます」
志津子の言葉に、達哉はそうですね、と同意した
志津子は部屋をひとつ借り
部屋に入る
「達哉さん、先にシャワー浴びて下さい」
「…いえ、志津子さんが先に…」
お互いにシャワーを譲る
と、そのうちにお互いくしゃみをし
それに可笑しくなって、クスクスと笑い合った
その後は成り行きで
雰囲気もあり
ひとつのベットで
体を重ねた
その時できたのが、アゲハだった
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