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次第に雨音が近付き、激しい音を立てる
志津子は耳を凝らし、不安を駆り立てた音のする方へと向かう
廊下を突き当たり、夫の眠る寝室の前まで来る
…ゴロゴロゴロ
激しい雨と共に、雷が鳴り響く
志津子は、そっと
寝室のドアを開けた
夫の眠るベットの上に
蠢く人影……
… ピカッ
ゴロゴロゴロ!
まるでフラッシュの様に
激しい雷光が窓から射し込み
部屋の中を明るくする
と、同時に
その影を、より深いものにした
裸体の達哉の上に
跨がった、裸体…
ドアの方を向いたそれは
達哉の弟
…若葉
「……!」
志津子の顔に
再びの雷光が当てられた
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