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その影は
乗馬でもしているかの様に
上下に揺れた
白い光が射し込み
達哉の体に刺さった刃物が光る
… んっ!
は、はぁ、ああっ!
雰囲気に似合わない、甘い声……
体が反り返り
顎先が天に向けられる
その顎先から鎖骨、胸からお腹にかけてのラインがしなやかで
雷光によって映し出された白黒が、とても美しい
……すご、…ぃ……
…あ、あああぁあぁっ!
ぴくりとも動かない達哉
しかし、雄の部分はまだいきり立っているのだろう……
志津子の目には
キリスト教の悪魔、インキュバス……
いや
睡眠中の男性を襲い、誘惑して精液を奪う 、サキュバスの様に映った
「………」
腰が抜け、その場に崩れる
それを知ってか知らずか
若葉は体を仰け反らせながら上下し
淫らな声を上げる
「…うぅ」
突然込み上げる
憎しみと悲しみ
志津子は、両手で顔を覆った
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