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ハニートラップ1

……あー、堪んねぇな。 コイツは男の癖に、凄ぇ美人だし。シャンプーとも香水とも違う……甘っとろくて良い匂いがするし。……性的に、そそられんだよなぁ。 切れ長のクッキリとした二重。長い睫毛。スッと鼻筋が通り、その下にある唇は魅惑的に潤んで、白い肌に鮮血のような赤い色を浮かび上がらせている。 ピンクゴールドのしっとり纏まった長い髪。無造作に一つに束ねられ、そこから覗く細くて長い項は、初肌のように柔らかそうで……何とも美味そうだ。 秘めた欲望が簡単に引き出され、コイツを孕ませたいという衝動が沸き起こる。 その一方で。コイツは男だと、僅かに残る理性が警鐘を鳴らす。……が、そんなのは解ってんだ。解ってんだよ、最初から。 でも、コイツを支配したい。犯したい。 身体の中心が疼き、本能には抗えない熱情が、内側から滾る。 「……ん、」 細くて長い指を弾き、器用に札束の紙幣を数えていた美人……工藤若葉が、その動きを止めた。 「ねぇ社長。……足りないんだけど」 「……え」 金から此方へと、若葉が冷ややかな目を向ける。 ……ただそれだけで、ゾクッと背筋と腰の後ろが淫らに震えた。 「あ、ああ……、すみません。直ぐに、直ぐに用意しますから」 「………すぐって、いつ……?」 事務机に腰を掛け、細く長い足を組んだ若葉が顎を突き出し、下等動物を見るかのように見下げる。 生足ではなく、スラックスなのが惜しい。……いや、既にジャケットを脱ぎ、ワイシャツの胸元を開けた姿は、それだけで充分にムラムラする。 目をこらして胸元を良く見れば、白地に薄らとピンク色が浮かび上がり、小粒ながらツンと主張しているのが解る。 ……あー、辛抱堪らん。ひん剝いて、隠れた可愛い乳首にしゃぶり付きてぇ…… 「すみませんが、若葉さん。向こうの部屋に金庫があるので、其方までご足労願えますか」 「………金庫」 若葉の表情が変わる。 組んでいた足を解し、事務机から降り地に足を付ける。 「はい。此方です」 腰を低くし、先導切って若葉を社長室へと案内する。 ……へへへ。金に食い付いてきたな。 この場所じゃあ、流石に危険すぎる。従業員達が突然戻って来たら、厄介だ。 それにしても。思ってたより警戒心が無いんだな。あの美沢の代理だから、もっと手強いかと思っていたが…… まぁいい。 見るからに華奢で腕力も無さそうだ。力尽くで押さえ込めば、コッチのもんだろ。

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