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景気の低迷するこのご時世。
建設会社の前社長──父を早くに亡くし、若くして後を継いだ俺は、経営や現場仕事等の一切を古株の従業員から教わり、我が子のように育てられた。
しかし、気づけばその者達は定年を優に越え、次々と隠居。脆弱した会社は次第に衰退。不況の煽りを諸に受けた。
そんな中、この寂れた会社に訪れたのは、一人の若い女性──以前から募集を掛けていた、事務員の面接希望の可愛らしい人だった。
男ばかりのむさ苦しい職場。そこに咲く、一輪の華やかな笑顔。
暗く澱んでいた空気が彼女の存在ひとつで明るいものに変わり、従業員達の士気も見違える程に上がっていく。
しかし、資金繰りは依然難航。頭を抱える俺に、そっと寄り添ってくれる彼女。次第に恋心を抱くようになり、彼女との未来を夢見るようになっていた。
だが、それも束の間。
唐突に会社に乗り込んできたのは──ヤクザの美沢大翔 。
頭のイカれた美沢は、事務員の彼女を見るなりとっ捕まえ、その場でストリップショーを強要。
慌てて止める俺の目の前で、彼女は涙を流しながら一枚、また一枚……と自ら服を脱ぎ、柔肌を空気に曝した。
そのまま彼女は退職。
──華は、儚く散り去った。
その恨みは、消えやしない。
恐らく、一生だ。
……畜生。
彼女とは、いい雰囲気だったんだ。
資金繰りに悩む俺を心配し、優しく声を掛け励ましてくれた。
食事の誘いにも嫌な顔ひとつせず、俺の話に一言一句頷き、ふと漏らした悩み相談にも快く乗ってくれた。
時に明るく。時に優しく。こんな俺を支え、献身的に尽くしてくれた。
……後もう少しで、俺の彼女になる筈だったんだ。
それを、畜生。あの一瞬で、美沢の野郎が全てぶち壊しやがった。
いつかやり返してやる。……殺してやる。
そう思いながら、俺は死に物狂いで働き、返済の度にそのチャンスを窺っていた。
──そんな時だ。奴の代理として若葉が現れたのは。
これだ、と直感した。
彼女にされた恨みはコイツで晴らそうと。
ムラムラくるこの美人を無理矢理犯しまくってやれば、少しは報いるってもんだ。
歪んだ復讐心と下心をひた隠し、若葉を社長室へと誘導する。
社長室、と言っても大したものではない。この建物自体、ショボいプレハブ小屋のような造りだ。
安っぽい応接セットが、狭い部屋の真ん中に我が物顔で居座っている。
窓際に追いやられたような社長デスク。背丈ほどの観葉植物が置かれ、その奥に小さな金庫があった。
「……すみません。直ぐに出しますから」
その前にしゃがみ込み、ダイヤルに手を掛ける。
直ぐ背後には、仁王立ちをしているんだろう若葉が、俺を冷ややかに見下ろしているのを感じていた。
……ドクン、ドクン……
ダイヤルをゆっくり回すと、強姦までのカウントダウンが始まる。
……ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、
緊張と高揚で全身から汗が吹き出し、湿った指先がビリビリと痺れる。
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