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突然の環境の変化
大好きな母はいない
そして父も…
育ての母は
僕を蔑み、軽蔑した
僕が何をしてもしなくても
その存在自体が気に入らず
人としての扱いをされた事がなかった
「汚らわしい!」
もし近くにいようものなら
育ての母は容赦なく僕を突き飛ばした
一方で兄の達哉をますます溺愛し、人間関係や進路にまで口を出す程だった
そんな対照的な達哉と僕は
お互いの存在を意識しながらも
母の目を気にしながら会話を交わした事がなかった
「…お前、何でそんなにエロい匂いすんだよ」
HRが終わって帰ろうとした時だった
短い髪を立て左耳にピアスをした男、マスクをした短ランの男、背が低くつり上がった細眉の男…他見るからにガラの悪そうな男が数人、僕を取り囲んだ
同じクラスの生徒は、それを見て見ぬふりをして教室から出ていく
「お前、本当は女なんじゃねーの?」
ピアス男はニヤニヤしながら僕の細い手首を掴み上げる
そして腹に一発入れると、体を折り曲げて倒れた僕の髪を掴み上げた
天井を向けられた僕は、痛さで瞳が潤み、苦しくて口を少し開けた
「…何で一々エロいんだよ!」
少し苛立ちを見せ
ピアス男は僕の制服を乱暴に剥ぎ取った
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