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「…あの時達哉が見つけてくれなかったら 今頃僕は……」 達哉の綺麗な横顔を見ながらそう呟くと 達哉は僕の方に向き直った 「……若葉がいて、良かった」 達哉の瞳が潤む あの時とは違う温もりを 達哉は僕に与えてくれる 後頭部に手を添えられ 唇を重ねる 達哉の腰から背中に手を滑らせ 僕は達哉を深く感じていた 達哉との一夜を明け 僕は心地よい気分で学校に行く 体が弱い為、いつもは体育を見学するけれど 柄にもなく受けてみようかと思い立った 女子と入れ違いで教室に入り、体操着に着替える 制服を脱ぎ、上半身裸になる そして体操着を袋から取り出していると… 「…エロいな……」 誰かの呟きが聞こえた 驚いて振り返るけど、視界に映るのは無関心の男子達しかいない 「………」 気にせず僕は体操着を着る 体育の授業は、短距離走だった ストップウォッチを持った筋肉隆々の体育教師が、ゴールに待ち構えている ピッ、と笛が鳴り、スタート 二人一組で走り、時間を記録する 体力が無さすぎなのか、僕は足が縺れ途中で転んでしまった その時に足首を少し捻ってしまったようで、痛い…… 「大丈夫か、工藤」 「……はい」 そう答えたものの、うまく立ち上がれない それを見た体育教師は、僕の脇に腕を差し込み持ち上げる 「おーい、保健室に連れていくから、続けといてくれ」 体育教師はストップウォッチを持った女子に言うと 僕を軽々とお姫様抱っこした

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