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父の隣に座る母が、僕を睨む 「…ん、何が?」 口角を少し上げ、そう答える やはり父は僕の茶碗を見ていた 「全然減ってないじゃないか 体の具合でも悪いのか?」 「…ううん、平気だよ」 そう答えて、僕はご飯に口をつける それを見届けた母は、僕への強烈な視線を外す 「ならいいが……」 「真咲さん、明日は早いの?」 母が被せる様に父に質問する 聞かれた父は、母に目を移した 「…ああ」 瞬間母は少女の顔に変わる その変わりように僕は 気持ち悪い、と思った 食事を終えると、母は台所で食器を洗う 達哉はいつもの様に勉強をする為に部屋へと戻る 僕は何をする訳ではないけれど ここにいても仕方がないと、達哉の後を追おうと席を立った 「若葉」 父が僕を呼び止める 振り返ると父は綺麗な笑顔を向けた 「一緒に風呂でも入るか」 その言葉に、驚く 羞恥心が芽生える年頃だというのに 父は何も感じていないのか… シンク前に立つ母の後ろ姿が目に映る 行ってきます、のキスだけで 僕をゴミ捨て場に捨てた母… それ以降、母の前では極力父に必要以上に近付かないようにしてきた 「行くぞ」 父が席を立つ

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