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父をじっと見つめると いつもの笑顔に戻る 「女性とのえっちなら、教えてやれるけど …男とはした事ねぇからなぁ」 「…そうだよね」 そう言って目を逸らす 「もしかして、それで食欲なかったのか?」 そう言って父が、濡れた手で頭に触れる …本当は違う 僕の夕食は、いつももっと少ないから…… そう思っても 僕はそれを口にできない 「しっかり食わねぇと、倒れちゃうぞ ホラ、腕なんかこんなに細いじゃないか」 父は僕の二の腕を掴んで言った 目の前にある父の胸は厚く、逞しくて男らしい 「…まぁ、そうだな お互い初めて同士なんだから 焦らずゆっくり時間をかけて、 どうすれば気持ちよくなるか、相手を気持ちよくさせられるか 探っていくしかねぇんじゃないか?」 「………」 僕は父が 母に良くしていた行為を 達哉としたかった…… だけど 父に女とのやり方を聞いたって 意味がない もしかしたら… と思って聞いてみたのに やっぱり父も 男同士のやり方を知らない… 「…若葉」 ベットの中で、達哉が僕の名を呼ぶ

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