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裸で抱き合い、キスを交わすと
達哉は潤んだ瞳を向けた
「…父に、嫉妬した」
達哉は口を尖らせる
「なんで?」
「若葉の裸を見たり、触ったりしたのかなって思ったら…」
「…ふぅん」
僕が冷たい反応を返すと、達哉は僕の鎖骨に唇を寄せ、印をつける
「若葉の体に触れていいのは、俺だけだから」
その言葉に、僕はクスッと笑った
すると達哉は、僕の胸に触れ
その尖りを摘まむ
瞬間、ぴくんっ、と反応してしまう
と、達哉がいたずらっ子の様な顔をして見せた
勉強三昧だった達哉は
僕の体に溺れる
やり方なんて知らないけど
ただ肌と肌を合わせるだけで
達哉は満足している様だ
「達哉、これは何?!」
食卓に紙を叩きつける
見ればそれは、模試の結果であった
「どうしてこんなに学力が落ちるのよ!」
「……すみません」
達哉は背中を丸める
母はそんな達哉の姿を見て、ふぅ、と溜め息をつくと
直ぐに穏やかな顔に変わる
「達哉の事だから、直ぐに挽回できるでしょうけど……」
母の、達哉に対する期待は重い
「まさかとは思うけど、クラスの女の子に言い寄られたりなんか…
ダメよ、今は勉強に専念して!」
達哉の将来は、母が全て決めている
その上を、外れる事なく達哉は歩かされている
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