31 / 66

12

…はぁ…はぁ… まだ整わない息をそのままに 僕は少し顔を傾け、担任を見る それは降伏の様でもあり 誘うようでもある様に…… 「……何故そうやって、惑わすんだ!」 担任の手が、再び僕の首にかかる …その時だった 「何してるんですかっ!」 教室の後ろのドアが開く、と同時に 体育教師が入ってきた 僕は壁に掛かった時計をチラリと見て、力が抜ける…… さすが… ……約束の時間、ピッタリ… 『……で、待ってる』 プールの後 放課後にここに来るよう誘導した 「助け…て、…はァ…ハァ…せ、んせ……」 弱々しく体育教師に目をやると、体育教師の顔が一気に険しくなった そして担任を軽々と僕から引き剥がし 宥める様に僕を引き寄せ抱き締める 「先生、これは由々しき問題です ……会議で報告させて貰いますよ」 怯えた振りをしながら 僕は担任をチラリと見てほくそ笑んだ 「……怖かった…」 体育教師と二人きりになると 僕は怯えた目を見せる

ともだちにシェアしよう!