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テーブルに、幾つかの写真が置かれる それは教室に貼り出されたものと同じ、僕の肌が露になったものだった 「あんたは汚い猫ね……」 深く刻まれた眉間の皺 母は椅子に座ろうとする僕に、床を指差して命令する 「猫なら猫らしくそこに座りなさいっ!」 ヒステリックに声を荒げ、何処から持ってきたのか細い鉄の棒で僕の肩や背中を叩きつける 『……ごめんなさい…』 五才の僕が現れ、えんえんと泣きながら母に赦しをこう それを、床に手を付いた僕の目の前でやってのける…… 「私の躾が足りないのかしら 今まで人間だと思っていたからいけないのね… ……今日からあんたの場所はここ! 達哉の部屋になんか入れさせないわ!」 右手に持った棒をもう片方の手のひらにトントンと何度も受け、威嚇する様に僕を見下げる そして思い付いた様にキッチンへ向かい、水を張ったグラタン皿を手にして戻ってくると、僕の目の前の床に投げ置いた 瞬間水しぶきが僕の手に掛かる 「ちゃんと舌で飲みなさい ……得意でしょ?」 嫌みったらしく言われると、五才の僕は母の傍らへと擦り付き涙ながらに訴えながら、温もりを求め始めた 「………」 こんなもの 振り払って投げつけて…… 「……」 そう思うのに、手が震えてそれができない…… 目を伏せ、赤い舌をちらりと見せる そして身を屈めてその水に舌を付ければ 母の満足そうな顔がそこにあるのを感じた 「……もっと飲みなさい」 棒が降り下ろされ近くの床を叩く その刹那五才の僕が怯えながら頭を抱え、床に伏した 『…やめて……お母さん』 その惨めな姿に抗おうとするが、心も震えそれができない……

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