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5-こっち向きやがれカシャッ/ドS眼鏡×イケメンDT×ドM

なんでこんなことになったんだ。 水泳部所属で高校二年生の恵比名(えびな)はそう思った。 「恵比名、こっち見ろ」 写真部の高幡(たかはた)に自前の一眼レフを構えられて。 ここは高幡の自宅マンションで。 写真を撮らせてほしいと言われて、戸惑った恵比名だったが、秘かに気になっていたクラスメートの頼みに内心昂揚したのも事実であって。 でもどう考えたって、これ、おかしいよな。 『これに着替えてくれるか』 まさか水着用意されてるなんて。 しかもビキニって。 普段はハーフスパッツだし、ビキニなんて履いたことないし。 これって、これって、なに? 高幡、俺のことからかってる? 冷房がよく効いた部屋で恵比名はじっとり汗をかいた。 マンションの庭園で鳴く蝉の声が静かな室内にまで聞こえてくる。 写真部の高幡は教室で一番の変人だった。 黒縁眼鏡をかけて、長身、外見はそこまで悪くないがぶっきら棒というか無愛想というか、人付き合いが悪くて大体一人でいる。 しかし「ぼっち」という表現はピンとこない、強いて言うなら、孤高、といったところか。 学校行事ではいつもカメラを構えていた。 去年と今年の高総体、水泳の競技場でシャッターを切っていた。 恵比名は水泳部エースでクラスメートの芦屋(あしや)の引き立て役じみた存在だった。 悔しくはなかった。 自分は自分の泳ぎができれば、こつこつ磨きをかけていければ、嫉妬に振り回されることもなくモチベーションと冷静さを保っていた。 それに。 気のせいかもしれないけど高幡はエースの芦屋より自分を撮ってくれてる気がした。 誰にも媚びない、自分を突き通す高幡のこと、俺…… カシャッッ 「!!」 白が基調となっているシンプルな高幡の部屋、壁と至近距離で向かい合っていた恵比名はどきっとした。 後ろから何の言葉もなしに撮影されて心臓が前以上に強い鼓動を刻み始める。 最初に写真を撮らせてほしいと言われてはいたが、いきなり後ろ姿を撮られて動じてしまう。 カシャッッカシャッッ 恵比名は真っ赤になった。 競技場で撮影されるのとまるで違う。 プールもない、観客もいない、静かで狭い部屋に高幡と二人きり。 しかも面積が僅かな水着着用。 緊張と、動揺と、昂揚感でざわめく心と同様に体も落ち着きをなくしていく。 ……どうしよう。 ……勃った。 「待って、高幡、あの、俺、」 カシャッ 「ッ……や、やっぱりコレは恥ずかしいかも、」 「壁に両手突いてみてくれるか」 え? 「早く」 有無を言わせないような高幡の鋭い物言いに恵比名は……涙ぐんだ。 半勃ちに気付かれたらどうしよう、軽蔑される、そんな恐れに駆られながらもクラスメートの命令に従った。 しなやかに伸びた両腕が虚空にピンと伸ばされた。 なだらかな背中に滲んだ汗。 小高く締まった尻がぎこちなく突き出される。 カシャッ もう無理だ。 限界を超えてる。 きっと高幡は俺の気持ちに気づいて、嘲笑って、こんなこと、 「いい一枚が撮れた」 急に耳元で聞こえた声に恵比名は目を見開かせた。 声がしたかと思えば背中に触れた体温。 白の長袖シャツを腕捲りし、黒いズボン、制服を着たままの高幡が硬直した恵比名に後ろから密着した。 「撮られただけで感じたのか、お前」 はっとした恵比名は咄嗟に片手で股間を隠した。 痛いくらいに高く鳴る心臓。 重要な大会でスタート台に立っても震えなかった足がぐらつき出す。 「ごめん、俺……ごめんなさい」 身長は170前半、筋肉の備わった、無駄な贅肉など皆無な体つき。 学校は屋内プールが完備されていて日焼けしていない張りのある肌。 中学時代に一度だけ女子と付き合い、自分自身の嗜好を思い知らされた恵比名はぽろっと涙した。 カメラをシステムデスクに置いてきた高幡は。 ほぼ全裸に等しい、何とも頼りない布一枚だけ身に着けた恵比名に両腕を絡ませた。 「ッ……な、に?」 「恥ずかしいと泣くのか、お前」 抑揚のない低目の声色。 まるで文書を音読しているような。 170後半の身長で、週末は山に登って景色も撮影しているため、割と足腰が鍛えられているがっしりした体。 「え、あ」 腹にまで届いた骨張った大きな掌に、恵比名は、再び涙で双眸をいっぱいにした。 そのまま降下して、際どい水着の上から半勃ちしたペニスをゆっくり撫でられると、やはりまたぽろっと。 すっきりした黒短髪で外気に覗いた耳たぶに、高幡は、歯を立てた。 「あっっ」 「なぁ、恵比名」 薄い布に長い五指が絡んで先端を小刻みに弄ぶ。 「だ、だめ、あ、ああ」 「後でまた撮らせてくれるか」 水気のなかった水着に滲み始める卑猥な汁気。 「だめ、汚しちゃうから、お願い、やめ、」 「お前の完勃ちしたペニス撮らせてくれるか」 「ッ、ッ!!」 水着の中に高幡の手が潜り込んできた時点で恵比名はもう何も考えられなくなった……。

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