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14-れっつごー三匹!/はちゃめちゃ擬人化
その三匹はとある森で一緒に暮らしている。
「今夜はシチューの予定だ、付け合わせにマッシュポテトを添えよう」
争いごとを嫌う博愛主義の紳士狼、ダン。
「ああああの、ダン、それっておおおお肉、お肉モチロンいれますよね?」
獣肉人肉腐肉、肉ならなんでも大好きな共食い嗜好ありの肉食白兎、ラビラビ。
「うぽぉー! おいらシチューだいしゅき! 幻覚キノコもどっさりいれよぉね!」
母熊から巣立ちを強制敢行されたものの独りぼっちじゃ生きられずにダンとラビラビの元に居ついてしまった脳タリン小熊、ジェラルド。
三匹はまぁそれなりに仲良しだ。
「肉は入れない(きっぱり)」
「(あほか、あほあほあほあほ。肉なしのシチューなんてクソありえません)」
「幻覚キノコも入れない(きっぱり)」
「あれぇー! でもいいよぉ! おいらダンお手製のお料理ぜぇんぶだいしゅき!」
「(ジェラルドの耳か尻尾、ちょん切っていれようかなぁ)」
三匹はまぁそれなりに多分恐らく仲良しだ……?
「見てぇ! 蜜蜂にヒモを括りつけてみた! おいら蜜蜂ペットにする!」
「手先が器用なのはいいことだ、ジェラルド、だがな、蜜蜂が自由を恋い焦がれて泣いている、離してやれ」
「あれぇー! でもうん、いいよぉ!」
「(ジェラルドのおてて、おいしそうだなぁ)」
それからそれから。
森に夜がやってきた。
その森の住人達は夜になるとヒトの姿になる。
「天にまします我らの父よ、今夜もお恵みをありがとうございます」
「神様ありがとぉー! さんきゅー! べりーべりーマッチでぇす!」
「(ほんとにお肉なし……あああああ、ストレス受信中、ストレス受信中……)
黒服のダンがお祈りを唱え、サイズの合わないシャツのせいで片方の肩が露出しているジェラルドはフォークとスプーンをそれぞれ両手に無邪気にはしゃぎ、白服のラビラビは頬杖を突いたまんまフォークでじゃがいもを忌々しそうにつっつき回す。
「あーお肉食べたい、お肉お肉お肉お肉、ジェラルド、尻尾ちょん切っていいですか?」
「あれぇー! でもうん、いいよぉ!」
「やめないか、ラビラビ」
それからそれから。
真夜中になった。
「ぐすんぐすん……」
ホームシック受信中のジェラルドがパッチワークのかわいいブランケットを床に引き摺ってダンのふかふか寝床にやってきた。
「おいらさみしぃ」
泣きべそジェラルドをダンはふかふか寝床に迎え入れてやる。
ジェラルドはダンの懐でちいさく丸まり、しばしべそべそしていたが。
母熊を恋しがる余り、寝間着からはだけていたダンの胸板をさわさわしては揉んだり、乳首をちゅーちゅーしたりしてきた。
「ダン、おっぱいだしてぇ」
「ジェラルド、おれは男だから母乳は出ない、すまない」
「ぐすん、だしてよぉ」
懲りずにジェラルドはダンのまったいらなおっぱいをもみもみちゅーちゅーし続ける。
ふっくらした舌できれいな処女色をした乳首をしつこくしつこく舐めまくる。
胸板にかぷっとかぶりついて、じゅるぅぅじゅるるるぅぅっと、思い切り吸い上げる。
「ダン、おいら、おっきしちゃった」
「ジェラルド」
「ダンのおっぱい、おっぱい出ないけど、あまくておいひぃ!」
「それはどうも」
「おっきしたおちんちん、ダンのおけつ、いれていい?」
「……」
ぎっしぎっしぎっしぎっしぎっしぎっし!
「うぽぉー! ダンのおけつっおけつおいひぃ!」
「……小熊といえど、やはり熊だな……く」
「うひぃー! おちんちんじゅーすでるぅー!」
同じ寝床の端っこ、毛布にぐるぐる巻きになったラビラビはぎりぎりぎりぎり奥歯を噛み締める。
「ダンのおけつにちんちんじゅーすでるでるでるぅ!!!!」
あああああ、このクソ小熊、まじで明日シチュー鍋に頭から突っ込んで原型なくなるまで煮てやりたい、耳も尻尾も残さず食ってやる、なんなら生きたまま食ったっていい。
「交尾癖がつかなければいいが……く」
お肉食べないあほあほだけど、ぼくの大事な大事なクソ大事なだぁぁぁぁぃじなダンにきたねー熊ペニスいれやがって。
ぼくだってまだダンと交尾したことないのに。
交尾できないくらい好きなのに。
しかし心優しいダンのことだ、もしもラビラビがジェラルドを食べようものなら、きっと一緒にいた自分に非があったと自己嫌悪に陥るに違いない。
なのでラビラビはジェラルドを食べるのを我慢した。
代わりに別のお肉をダンに隠れてこっそり狩って食べた。
「よぉ、ラビラビ」
満腹になり、げふっとため息一つ、口元のまっしろな毛についた鮮血もそのままに悦に入っていたラビラビの元にやってきたのは。
「……あら、キル、どうもこんにちは」
ダンの弟狼のキルだ。
兄と違い、ラビラビと同じく国産のお肉大好きな、つまりマトモな狼らしい狼だ。
「兄貴に隠れてコソコソ飯食ったのか、いちいちご苦労なこって」
食い散らかした残飯もそのままに、そのすぐそばで寝転がっていたラビラビを見下ろし、隻眼のキルはまっしろ毛についていた口元の鮮血をべろり失敬した。
「これ、ヒトか、なにかわかんねぇくらい、よくこうもズタボロに」
「あなた、おしゃべりですね、キル」
「なぁ、今夜、俺んち来いよ」
「めんどくさいです」
「来いよ」
それからそれから。
夜になった。
ぎっしぎっしぎっしぎっしぎっしぎっし!
「うは、ぁあ……っぎもぢぃ……っ!」
「あなたのアナ、ゆるゆるのがばがばで、こっちはちっともよくないです」
「ふぎぃ……っ!もっと奥ぅ!」
「あなたばかりきもちよくなってつまらないです、キル」
がぶり!!
「ひ……!!」
「ん、おいしい」
がぶがぶ!!
「ぎゃ……!」
あーあ、キルとだったら交尾できるんですけどね、なーんの気兼ねもなく。
こうやってちょこっとお肉も頂けるんですけどね、おめめもいっこ、食べちゃいましたし。
でもダンはだめ、だめ、だめ。
あああああ、あのお優しい、お肉いっこも食べない、あほあほあほあほダン、好き好き好き好き。
ダンになら食べられてもいいです、ぼく。
「なぁ、ラビラビ……っ俺と一緒んなれよ……ひぃっ!」
「もういっこのおめめもくれるならいーですよ」
「あっあっあっ! やるっやるからさぁ……! ひぃぃ!」
「冗談に決まってるじゃないですか、ばかな狼ですねぇ」
昼下がり、お花畑でダンが珍しくお昼寝していた。
ラビラビ、ぴょんぴょん飛んでダンの近くまでやってくると、長い耳をぴーんと立て、スンスンにおいをかいだ。
あああああ、いいにおい、ダンのにおい、くんかくんか……。
「あーラビラビ、なにしてるのぉ!? ダンのお肉食べちゃらめー!!」
……食ってやる食ってやる食ってやる、その肉噛み千切ってやる、このクソ小熊ぁぁぁぁ。
「……ん、ああ、眠っていたのか」
「あ、ダン……」
「ぴぃぃぃぃぃ!」
「……」
泣きじゃくるジェラルドの片耳がちょっぴり欠けていることにダンは目を見張らせた。
そして真っ赤に濡れたラビラビのまっしろ毛。
「……ラビラビ……」
そんな目でぼくを見ないでください、ダン。
そんな目で見るくらいならいっそ殺してください。
その夜、ラビラビは家出した。
外は大雨だった。
ざぶざぶ流れる川に身を投げて死のうと思った。
が、いざ凄まじい濁流を目前にすると「やっぱり怖いなぁどうしよっかなぁやめようかなぁ」という気持ちになり、ざぁざぁ雨に打たれながら立ち尽くしていたら。
「しっ死んじゃらめぇぇぇ!! ラビラビーーーー!!」
ダンと共にラビラビを探し回っていたジェラルドが猛突進してきたかと思うと勢い余って体当たり。
ラビラビはジェラルドと一緒に川にぼちゃんと落ちた。
やっぱりちゃんと完食しておくべきでした、これ。
あっという間に激流に呑まれ、口や鼻から容赦なく入り込んでくる冷たい水、正に成す術もない。
そんな瀬戸際にラビラビは見た。
遅れて川に飛び込んできたダンが自分と同じく溺れていたジェラルドを救出する姿を。
そんな光景をかろうじて目の当たりにした瞬間、全身の力が抜けて、死ぬことへの躊躇も遠退いて。
ラビラビは安らかに激流に身を任せた……。
「ラビラビ!」
あら? ダンの声がしますね。でもこれは幻聴です、だってダンはぼくを捨ててジェラルドを選んだもの、だからこんなにそばで声が聞こえるはずがないもの。
あら、でもおかしいですね、冷たいのに、あたたかい?
「ラビラビ」
ラビラビが目を開ければすぐそこにダンの顔が。
「死ぬときは一緒だ」
火事場の馬鹿力でラビラビは自分と共に死ぬつもりで二度川に飛び込んだダンを死に物狂いで救出した。
雨をしのぐため、洞穴に隠れ、自分よりもすっかり青ざめたダンをぎゅうっと抱きしめる。
濡れた服は脱ぎ捨てた。
ぶるぶる震える体を直に寄せ合った。
「ダン、死なないでくださいね、お願いですから」
「……ジェラルドは大丈夫だろうか」
「あんなクソ小熊、蜂蜜一滴あれば生き延びるでしょうよ」
「……ふ」
もしもダンが死んじゃったら、ぼく、すぐ後を追います。
そんで、ぼく、屍姦はさすがに趣味じゃないんです。
なので、まだ生きてるダンにこの想いを遂げたいと思います。
「交尾しましょう、ダン?」
「……ラビラビ」
「とびきり優しくしてあげますね……最初で最後になるかもしれないから……ん……あぁ……」
「……あ」
なにこれ、きもちいい、とろけちゃう。
ダンのなかで溺れそう。
よすぎてあたまへんになっちゃいそうです。
「あう……ぼくのおちんちん……びりびり痺れてます……ダぁン……」
「は……っあ」
「いいです、きもちいい……はぁ……んっ……あぁ……とけるぅ……」
「う……う……」
「あ……うそ……もういっちゃう……」
「あ」
「はぁ……っ……ダン……好きです……」
ダンは死ななかった。
ラビラビの執拗あまあまな過剰交尾で熱を取り戻し、体力は消耗したものの、鼓動を地上につなぎ止めることができた。
それからも三匹はいっしょに暮らしている。
「はぁはぁ……ダン……っねぇ、きもちいい? きもちいいですか……っ?」
「も、はいらな……っお前の子種でいっぱいだ、ラビラビ……っ」
「うふふ……メス狼だったら兎のあかちゃん、もう何匹も孕んでるでしょうね……んっ」
「ああっ」
「あうーおいらもダンのおっぱいのむぅ!」
「来るな寄るな触るな、ジェラルド、両耳欠けたくないでしょう?」
「あうーじゃあラビラビのおっぱいのむぅ!」
「このクソエロ小熊が」
三匹はまぁそれなりに多分恐らく仲良し……なのか?
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