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小熊のジェラルドはあんぽんたんのおたんこなす。 体つきはほぼ青少年レベルに近づいてきたもののオツムはてんで脳タリン、毎日天然ラリラリ状態、やばめのハイテンション。 そんなジェラルドがある日とうとうやっちまった。 「見てー! 拾ってきたー! みんなで育てよー!」 「……ジェラルド」 紳士狼のダンは呆れ返った。 あんぽんたんジェラルド、なんとヒトのあかちゃんを攫ってきたのだ。 ジェラルドがずるずるずるずる引き摺ってきたお花の飾りつきカゴ、そのなかでおくるみに包まってすやすや眠るあかちゃん。 ダンが覗き込んでいたらぱっちり目を覚まし、初めて間近で目にする獣たちにきゃっきゃと大はしゃぎ。 「うぽぉー! きゃわいい! おいらよりオツム弱そー!」 「あかんぼうだ、無知だからこそ純粋なのだ、穢れを知らない、この世界で最も美しい結晶だ」 「よくわかんなぁい!」 「なんの騒ぎです、またジェラルドのクソ小熊が何か仕出かしましたか、ダン?」 お出かけしていた肉食白兎のラビラビがぴょんぴょんおうちに戻ってきた。 ジェラルドのやることなすことすべてが気に入らないラビラビ、ジェラルドに対していつだっておかんむりな彼だが。 今日だけは違った。 「感心です、ジェラルド、今夜のばんごはんのメインディッシュを調達してくるなんて、あなた、もう立派なオトナですね」 「うぽぽ!」 「ふっくらもちもち、すべすべほっぺ、きらきらおめめ、どこから頂きましょう」 「やめないか、ラビラビ、この子は親元に帰す」 よだれをだらだら垂らしてカゴを覗き込んでいるラビラビにダンはきっぱり告げる。 これから天気が崩れそうだ。 あかちゃんが濡れて風邪を引いてはいけないので、明日の朝、ジェラルドに案内してもらって元の場所へ戻すことにしたダン。 さて夜になった。 外はざぁざぁ、どしゃぶり大雨、風がごぅごぅ。 「やれやれ、これじゃあ明日もあやしいな」 ヒトの姿になったダン、さすが紳士はなんでも持っている、肉食ラビラビが手を出さないよう、おんぶ紐であかちゃんを自分の背中にしっかり括りつけていた。 ジェラルドは泡立てまくりでがっちゃんがっちゃん食後の食器を洗い、淡白ディナーを済ませたラビラビ、そのあかいまなこはダンに釘づけ。 ぼくのクソ大事なだぁぁぁいじなダン、そしておいしそぉぉなヒトのあかちゃん、なんて最強組み合わせ、よだれが止まりません。 「ラビラビ、テーブルが洪水状態になっている、バケツを置きたまえ」 「およぐー! おいらおよぐー!」 さて就寝時間になった。 ダンとラビラビの寝床そばに置かれたカゴ、人肌にあたためられたミルクを哺乳瓶(紳士はなんでも持っている)でたらふく飲んだあかちゃんは獣ビトのおうちですやすや眠る。 さて寝床上では。 「あかちゃん抱っこして、母性本能くすぐられて、おっぱいみるく出ません?」 「おれは男だからどうしたって母乳は出ないぞ、ラビラビ」 「あら、残念です」 あったかふかふか寝床でダンの寝間着を肌蹴させたラビラビ、その乳首に甘噛みをしつこく続け、愛する人の育ちきったアレを指のわっかで優しく撫でこする。 「じゃあ、こっちのみるく、一晩中頂きますね?」 「う、ラビラビ……」 「ん……ダンのみるく、濃くておいしい」 「うぽぉー! おいらも! おいらもダンのちんちんじゅーすのむのむ!」 「Fu○k……また勝手に潜り込んできやがって、そっちの耳も欠けていいんですか、ジェラルド?」 「おぎゃーーー!!!!」 「……ああ、あかんぼうが……」 「ほら、ジェラルド、相手なさい、ダンはここにいて? 続けましょう?」 「いや、だが……う……あ……」 「ばぶー! おつむてんてーん!!」 「そ、れは……その子にはまだ早い、ジェラルド……」 さて朝になった。 雨はざぁざぁ降り続け、あかんぼうを戻すのを断念したダン。 窓から外を覗いていた彼は不穏な影を複数見つけ、すぅっと切れ長な鋭い眼を細める。 夜、大雨だったにも関わらず、あかんぼうの泣き声を聞かれたらしい。 荒くれならず肉食獣がちらほら集まってきているようだ。 「ジェラルド、いいか、かくれんぼをしよう」 「うぽぉ! やったぁ、おいらかくれんぼだいしゅき!」 「ああ、この家の中でかくれんぼだ、そのあかんぼうを抱いて、何があろうとも、おれが見つけるまでずっと隠れているんだ、息を潜めてな」 「息しちゃだめ!? おいら死んじゃう!!」 「早く隠れなさい、あんぽんたん」 ジェラルドのもこもこおなかに眠るあかんぼうをおんぶ紐で優しく括りつけたダン。 この緊急事態、なんにもわかっていないジェラルド、超ノリノリで、ダンの目の前で、クローゼットの中に堂々と隠れた。 「ジェラルドのせいです、荒くれどもを招いてしまいました」 「全て神の御業だ、祈るしかない」 「こうべをさげて祈っていたらやられます」 「何人たりともおれは牙を剥かない」 「では他の牙があかんぼうに襲いかかってもいいと?」 「……」 そのとき。 ドアが荒々しくノックされた……。 「ジェラルド」 「……ぷぉ!? あっおいら寝てた! ここ入った瞬間から爆睡してた! おじいさんなってない!? おけけしろくなってない!?」 「大丈夫だ、何十年も寝ていたわけじゃない、ほんの一時間だ」 「あれーダン、ケガしてるの?」 ジェラルドのもこもこ腕の中であかんぼうがばぶばぶしている。 ダンの、血塗れになった毛に無邪気にさわろうとしている。 ダンはすっと身を引いた。 ジェラルドは、ダンの向こうに、おうちの壁に刻まれたたくさんの引っ掻き傷、鮮やかな血飛沫、割れた窓ガラス、乱暴風にはためくズタボロカーテンを見た。 「うぽぉー! どんなかくれんぼしてたの? サバイバルかくれんぼ?」 無邪気に戯れるジェラルドとあかちゃん。 ダンは悲しそうに微笑みかける。 「……神よ、お許しください、この牙はあれより永遠に封じること、あなたに誓っていたのに」 割れた窓ガラスの向こうから音が聞こえてくる。 ばきばき、ぼきぼき、ぐちゃぐちゃ、ごりごり。 「なんのおとー? かぜのおとー? おばけのおとー?」 ラビラビが食事をしている音、とダンは心のなかでジェラルドに答えてあげた。 夕方、雨がやんで、後片付けに明け暮れたダン。 夜、まだ微妙に血なまぐさいおうちで食事を終え、おふろに入る前に。 明日の朝には親元に帰せるだろうあかちゃんがカゴの底、おくるみに包まれてすやすや眠っているのを見、改めて安堵した。 ヒトの指で触れてみれば、小さな指たちが、ぎゅっとしてくる。 小さなぬくもりに、心の底から、微笑みかける。 そこへ。 「ダン、あなた、傷の手当てしてないでしょう」 ラビラビが上背あるダンの背中に声をかけてきた。 「ぼく、惚れ直しましたよ、ダン」 まだおふろ前、寝巻きではなく黒服を肌蹴させたラビラビ、ダンの体上に散らばる傷跡に一つ一つ口づけていきながら、囁く。 「やっぱり、牙を剥くあなたって、美しくって気高くって、惚れ惚れしました」 三角にとがらせた舌のさきっちょでこびりついた血を溶かし、舐め、ゆっくり味わう。 ちゅっと音を立て、丁寧に、唾液で消毒。 ダンに対しては食欲よりも性欲が勝るし、今日はいっぱい平らげて満足したから、血のにおいで暴走することはない。 「……美しくも気高くもない」 「ダン」 「ただのケダモノだ」 大事なダンが自己嫌悪に陥っている姿にラビラビはいつにもましてどきどきしてしまう。 たっぷり慰めてあげようと、白服を着たままのラビラビ、頭を屈めてダンのアレに舌をくっつけた。 アレのくっきり括れを舌のさきっちょでぬるぬるなぞる。 うらっかわをぺろぺろ舐めては唇で挟み込んでちゅうちゅう啜る。 「ね、ダン……」 「なん、だ……」 「今日、後ろから……いいですか?」 「……」 ラビラビのアレがダンのアソコに深く深く時に浅く出入りする。 ダンの体はあっという間に熱に漲って、アレは濡れて、とろとろと滴って。 ラビラビに貫かれるたんびに涙するみたいに雫を散らした。 「ダン……っすごいです……入り口も奥も、ほら、こんなに締まってますよ……?」 「う、く……ぅ」 「こんなに拡がっちゃって……ぼくのおちんちん、こんな奥まで受け入れて……ぼく、たまんないです……はぁ……」 汗ばむ背中、後ろ髪のはりついたしっとりうなじ、痙攣しっぱなしの小高い双丘、激しい抽挿で捲れ気味なアソコ。 目に写るぜんぶの光景に興奮が止まらないラビラビ。 お尻の肉をもっと強めに掴むと、ぐにゅっと左右に押し開いて、えぐいくらいのガチ突きでも受け入れてしまうダンにこっそり愉悦する。 呻吟し続けるダンに覆いかぶさると正面に手を回してダンのアレにふれる。 どくんどくん脈打つダンのアレ。 添えた手をちょっと動かしただけで、くちゅっ……と音が鳴る。 「はぁ、っ」 「ダンもこんなに感じてくれて……嬉しい……」 「あ……っラビラビ……」 「ね、一緒に……いきましょう? ね……?」 「あ、あ、あ」 腰と、ダンを握り締めた手、同時に激しく動かした。 自分のアレに密着してくるダンの内側のお肉。 限度を忘れて、交尾に夢中になって、ひたすらアレを擦りつける。 「あ……っぼく、もぉ……ダンに種付けします……んっ!」 「ッ……!!」 ラビラビはぎゅっと奥歯を食い縛ってダンの奥底に子種をどぷりと迸らせた。 やみつき絶頂で思考が痺れ、つい、ダンのアレをきつく握ってしまう。 「ッ、あう……」 ダンの痛そうな声にかろうじて我に返り、絶頂の余韻に心身を浸しつつ、手を動かす。 一番濡れているところを親指でぐりぐりぐりぐりする。 「あッッ」 「んんっ……しまる……!」 ラビラビにぐりぐりされながらダンは達した。 種付けを終えたばかりのラビラビのアレをきつく締めつけて、自分を握り締めるラビラビの手も一気にしとどに濡らす。 「はぁ……っはあ」 「あ……こんなに締められたら、ぼく……また、すぐ、かたくなっちゃいますね……」 「あ……っあ……っ」 「しょうがないですね……そんなに、まだ、交尾したいんですか、ダン……? 困った愛しい狼さんですね……うふふ」 見逃していた背中の傷口にキスを落としてラビラビはダンを力いっぱい抱きしめたのだった。 翌日、綺麗なお花や貴重な薬草をカゴにいれ、青い屋根が綺麗な家のお庭にあかちゃんをそっと戻してきたダン。 誰に見つかることもなく。 「ほんの数日共にいただけで情が移ってしまったな」 村から戻ってきてからずっと淋しげなダン、お花畑で蜜蜂に追いかけられているジェラルドを遠目に、ぽつりと呟いた。 「あかちゃん? 確かに美味しそうでしたものね」 「そういうことじゃない」 「あ、つくりたいってことですか? ぼくとの間に? じゃあまずダンが子宮をつくらないと」 「そういうことじゃない」 「おーい、兄貴ー」 「キル」 「聞いたぜー荒くれならずどもを引き裂いたって、やっぱそれでこそ兄貴だなー、昔みたいにもっと暴れ、ぎゃあっ!!」 おしゃべり弟狼のキル、いきなりラビラビにがぶりされて飛び上がった。 「口をわきまえなさい、このぼろくず狼」 「ラ、ラビラビぃ」 「キル、おまえ、片目をどうした」 「え、これは、」 「おおかたずっこけて不幸せなことにイガグリでも刺さったのでしょう、ねぇ、キル?」 「あ、え、うん」 「そうか」 ラビラビに足蹴に追っ払われたキルがすごすご退散し、ジェラルドが蜜蜂にたかられているのを遠目に。 肉食白兎、雨上がりの野原で淋しげ紳士狼にべったりべったり寄り添ってあげるのだった。

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