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36-6
「……やりすぎだよ、比良くん……」
唇まですっかりぬるぬるになってしまった柚木。
木柱に向かってまた文句をぶつければ、背中に密着したままの比良のため息が耳元を掠めていった。
「あのね、ため息つきたいのはおれの方……ほんと、もう……指抜いて……んっ、違うっ、動かしてって言ってない……そ……それに……あんま、おれに……当てられても……」
ずっと丸出しのお尻に先程から当たっている、むしろ押しつけられている比良の股間。
明らかに硬くなっていた。
「なぁ、柚木……」
台詞の先が想像できた柚木はすかさず首を左右に振った。
「ほんとむり」
「……挿入 れたい」
「うわぁ、ほんとむり……比良くん、冷静になろ? 女の子のアレはあっても、おれだよ? 三年間同じクラスだった、チンコついてる、おれだよ? もう終了、はい解散、おれ先に帰るから自分で処理してもら……え、なに? ジーーーって音したけど、まさかチャック開けた?」
「開けた」
「どして? まだおれいるのに? おれの前でシコるつもりじゃないよね?」
「柚木に挿入れたい」
「ま……また同じこと言った……」
正直にいうと。
興味はなくもない。
でも怖い。
そこは最後の砦というか。
本番までいってしまったら取り返しがつかなくなりそうで。
「柚木だって、ココ、フルに感じてみたいだろ」
しぶとくナカに居座る指が意地悪く蠢いた。
「ん〜っ……もう、十分だから……いい……です」
「なんで? 舐められて、触られて、それだけで気持ちよかっただろ。ずっと勃ってるし。さっきココでいったもんな?」
いったの、バレてらっしゃる……。
「セックスしたらもっとよくなる」
「ひ……比良くん……ここは冷静に……」
「冷静になれない」
「へぁ……」
「こんな柚木を前にして理性を保つ自信、ない」
柚木は息を呑んだ。
外気に取り出された比良のペニスが尻丘に触れ、恐る恐る後ろを見、その逞しさに脱帽した。
「で……でか……」
むりでしょ。
こんなん裂けるでしょ。
「……今すぐ仕舞ってください」
「痛くしないから」
「絶対痛いでしょ、そんなモンはいってきたら」
「……」
「……そんなモンって言ってごめん」
「柚木のナカの温度、俺のペニスに教えて」
「おおお、教えないっ」
「そんな意地悪しないで」
「っ……そっちが意地悪してるんだって……」
「なぁ、お願い、柚木」
「っ……」
甘えたモードの比良に、教室では常に硬派男子であったはずの同級生の新たな一面に、柚木はどぎまぎしてしまう。
これぞギャップ萌え……。
「さっきよりもっと柔らかくなった……ほら、この辺も……」
「っ、っ、っ……コリコリんとこ、つっつくの、禁止……」
「ココ、つっつくの、禁止なのか?」
「あっ……禁止って言ったばっかなのに……やっぱり比良くんがおれに意地悪してんじゃん……」
「もっと柚木に意地悪したい……させて?」
ねーちゃんがやってた乙ゲーキャラの台詞みたい……。
こんな比良くん、歴代のカノジョしか知らないだろうな。
コテージにいたみんな、友達や同級生、部活の人達だって知らないハズだ。
だって三年間同じクラスだったおれが初めて見るんだから……。
癖になりそうな優越感が湧いてきてグラつきかけた柚木だが、理性や倫理観、比良の逞しいペニスが好奇心にブレーキをかける。
「……意地悪禁止、チンコ挿入禁止……」
そう言えば。
再びぐるりと体の向きを変えられた。
「わかった」
ちゃんと対面して改めてそのサイズ感にビビっている柚木により近づき、股間にペニスを……。
「ひ……比良くん……」
「挿入れないから」
比良は根元を支えた我が身を……にゅるり、柚木の内腿の狭間に滑り込ませた。
う、わ、ぁ……。
なんつー感触……。
「えーと……なにしてるか聞いてもい……?」
「素股」
さらりと回答した比良は正面から柚木に密着し、腰を振った。
太腿の間に出来上がった逆三角形ゾーンを非童貞ペニスがにゅるにゅるにゅるにゅる行き来する。
膨張しきった熱源でアソコを擦り立てられて柚木の「変なかんじ」は一気に加速した。
「もっ……もうちょっと、ゆっくり……早いから……」
そう願えば比良は速度を落とした。
ぬーる、ぬーる、ぬーる、ぬーる、今度はもったいぶった腰遣いでじっくり擦り立てられる。
何ともスケべな摩擦感。
ペニスと触れ合う場所がジンジンして、むず痒くて、クリトリスまでズーリズーリされると電流じみた快感が走った。
「ぃっ……」
すぐ真正面に迫る比良を正視できずに柚木はぎゅっと目を瞑った。
目を閉じれば閉じたで意識が下半身に集中し、ぬちゃぬちゃと卑猥な音色が鼓膜に際立ち、感度が倍増するような心地に全身がゾクゾクしてしまう。
「柚木ので俺のペニスまでぬるぬるになる……」
明らかに興奮して声が上擦りがちな比良にどきどきしてしまう。
……こんなのえっちすぎる。
……アレができちゃったとはいえ、おれにここまで興奮するなんて。
「う、う、ぅ……っ……ん……ぅぅぅ……っ」
口元を押さえて喘ぎそうになるのを我慢していた柚木だったが。
……ず、ぷ、ぷ
「ん……っ? えっ、あれ……? これ、はいってきてない……?」
「……先っぽだけ」
「っ……だめだめだめだめ……だめって言ってんじゃん……は、早く抜いて……」
「……」
ぬ、ぷ、ぷ、ぷ……
「わ、ぁ、ぁ……っ……きすぎっ、いれすぎっ……もぉ~~……っ」
あれだけお断りしたというのに。
とうとうアソコにペニスを捻じ込まれた。
ジンジンしていたところを熱い昂ぶりで押し上げられる。
入り口をみちみち拡げられ、窮屈な内壁の狭間にずぶりとめり込まれて。
処女を奪われた。
「あ……熱い……比良くんのチンコ……」
初めてなのに痛みはなく、ただただ「変なかんじ」に頭の芯まで火照って柚木はポロリと呟いた。
比良はゴクリと息を呑む。
目を開けて浮ついた眼差しを紡ぐ同級生に心臓がドクンと跳ねた。
「ッ……な……なんかビクビクして……?」
「……でそう」
「え……? う、うそでしょ……?」
「このまま柚木のナカに射精 させて」
「……比良くん、鬼畜?」
「ッ……ッ……ッ」
「っ……っ……っ……ほ、ほんとに……いった? 今、おれのナカに……な……中出し、した?」
「した……ッ……はぁ……ッ」
アソコのナカで力強く跳ねたかと思えば、たっっっぷり注ぎ込まれ、しぶとくビクビクを続けるペニスに柚木は「~~~……!」と声にならない悲鳴を上げた。
ずるりと引き抜かれて。
互いを繋げた白濁の糸。
とろりと泡立つ入り口。
「ここまでされるなんて……思わなかった……でも、これでやっとおわり……あ、れ……なんでまだ……比良くん、そんな……?」
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