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38-5
「ん……比良くんの、めちゃくちゃ、すごい……」
ヘッドボードに立てかけた横長の枕に背中を深く預けた比良。
彼の両足の間に這い蹲ってその股間におっかなびっくり顔を埋めた柚木。
申し分なく育ちきったペニスの頂きをちょっとずつ這う唇。
不器用な舌先で鈴口をなめ、なめ、敏感な裏筋をなめ、なめ。
初ふぇらだった。
比良のご立派なブツをこんなにも間近に拝見するのも初めてだった。
「柚木、無理しなくていいからな……」
上目遣いにチラリ窺ってみれば。
僅かに眉根を寄せ、真っ直ぐな眼差しで初ふぇらを真摯に見守っている比良と目が合って。
柚木は耳たぶの隅々まで火照らせた。
口を大きく開いて、今度は、ジャージとボクサーパンツをずらして露出させたペニスの先っぽを怖々と頬張ってみた。
……いつもおれのなか突き上げてるやつ。
……激しくビクビクして弾けるやつ。
「ん……っ」
やばい、どうしよう、なんで?
比良くんのふぇらしてるだけなのに感じる。
なんかもう何もかもきもちいい。
ほんとに洪水状態になりそーだ……。
「ん、ん、ん……ぷはっ……比良くん……比良くんのチンコ、えっろぃ……すンごぃ……」
「あ……柚木……」
柚木が根元まで咥え込んでみれば比良はさらに眉根を寄せた。
不器用ながらも初めてのご奉仕に励んでいる柚木の頭に片手を伸ばし、そっと髪を梳く。
髪を梳かれた柚木はゾクゾクした。
喉を塞ぐペニスを健気にちゅうちゅう吸い上げ、一生懸命舌を動かし、せっせと棹に絡ませた。
「柚木……上手だな……気持ちいい……」
上擦った声で褒められて。
鼓膜が溶けるかと思った。
密やかに股間をびしょ濡れにし、もどかしげに細腰を揺らめかせ、隆々と滾る熱源に夢中になった。
「んっ、んっ、んっ……っ」
「ッ……俺のことそんなに吸って……俺よりヤラシイ……」
「ひ……比良くんのチンコがこんなにもえろいのが悪い……っ」
「……俺、我慢できないよ、今すぐ柚木のことも気持ちよくしたい……」
「っ……まだ、おれの番っ……おれが比良くんのこときもちよくする時間だってば……」
比良は股間に顔を埋めていた柚木を無理やり引き剥がし、抱き上げて、キスをした。
たった今まで自分のペニスを迎え入れていた唇にかぶりついた。
「ふ、ぅ……っ……ン……ン……ン……っ……っ」
甘えた吐息を洩らして縋りついてくる柚木の瞼を薄目がちに見、背中伝いに手を這わせ、濡れそぼつ亀裂に触れた。
「ゃ……っ」
「また……さっきよりも濡れてる……」
「比良、く……っ……ぁ、ぁ、ぁ……っ」
「ほら、もうこんな奥まで挿入 った……」
「んんんっ……おれんなか……もう、ぐちゃぐちゃ……」
「柚木のなか、もっとぐちゃぐちゃにしたい」
「ッ、ッ、ッ……!!」
「……ああ、今、いったんだ……? いく瞬間がわかりやすいな、柚木は……ほら、俺に乗っかって。こっち向いて」
「えっ? うぇぇっ……?」
スムーズな誘導により至った初シックスナイン。
スケべ感この上ない体位に最初は怖気づいた柚木であったが。
「あっ、あっ、ちょっ、舌っ……舌、挿入 れすぎ……っ……だ、め……い、っ、ちゃ……!!」
アソコに的を絞った甲斐甲斐しい舌姦に何度か軽く達し、身も心も恍惚感に平伏した末に、目の前で反り返る比良のペニスにがむしゃらに口づけた。
「っ……柚木、それ……大豆みたいだ」
「ッ、だ、だ、大豆といっしょすんなぁ~……っ」
「ン……」
「ひ、ぃ、ぃっ……んなとこ引っ張んないで、引っ張っちゃだめ~~……!!」
ぷっくり膨れ上がったクリトリスを啄まれ、緩々と吸われて、柚木はガクガクが止まらない。
……こんなのえろすぎる。
……どろどろになっちゃうよ、おれ。
「柚木は性感帯がいっぱいあるから。かわいがり甲斐がある……」
互いに熱源を吸い合ったりと柚木も頑張ったが、もっぱら比良によくされっぱなし、見栄えのいい体の上で何度も何度も痺れる絶頂をお見舞いされた……。
「やきもちをやいたんだ」
全ての服を脱ぎ捨て、薄明るい照明に均整のとれた見栄えよき体を曝け出した比良は言った。
「ひ……比良くんがおれ如きにやきもち……?」
ニットのみ着用したままの柚木は真上に迫るパーフェクト男子の告白に目をヒン剥かせる。
「そ、そんな恐れ多い、とんでもないです、恐縮レベルです」
「そんなこと言わないで」
比良に淋しげに見つめられて下から目線が癖になっている柚木は「うっ」と口ごもる。
……やっぱり比良くんこそ大豆じゃんか。
……お留守番任されたときの大豆まんまじゃんか。
「……おれ、十二月の終業式のときからずっと思ってた」
瑞々しい色気を発する彼から微妙に視線を逸らし、薄明るい天井を意味もなく見上げて、柚木は胸の内を吐露した。
「おれなんかでいいのかなって。こんな大した特徴もないモブみたいなポンコツのどこがいいのかなって」
「俺にとって柚木はモブでもポンコツでもない。一番の主役だよ」
「主役とか……恐れ多い……」
「柚木」
「……はい」
「ちゃんと俺のこと見てくれ」
比良のオーダーに柚木は泣く泣く従った。
うろちょろ視線を蛇行させながらも凛とした眼に焦点を定めた。
「柚木は可愛いよ」
滑らかな頬を紅潮させて比良は笑う。
「俺は柚木の唯一になりたい」
「ほぇ……」
ムード台無しのおまぬけな声を出した柚木に昂揚感を削がれるでもなく。
どんな教室にでもすぐに溶け込む、集合写真では常に後列に埋もれる、どこにでもいそうなクラスメートにとことん見惚れた。
「さっき俺はみんなのものみたいなこと言ってたけど」
「あ……うん……」
「俺は柚木に独り占めされたい」
恐れ多いにも程がある独占されたい宣言をぶちかまされて柚木の心臓は止まりそうになった。
「俺のこと束縛してくれないか、柚木」
比良くん、おれの息の根止めるつもりかな……?
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