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第11話 保育士ですか?

その人物を目で追いながら子どもに訊く。 「あれが透先生なの?」 僕の質問に子どもは、コックリと頷いた。 「うん。秋山透先生だよ」 その先生は身長も高く百八十度近くある様だ。 遠目からでもイケメンなのが、よく分かる。 茶髪がシックリときていた。 横からでも、顔が小さい事が分かる。 モデルでもやっていそうな出で立ちに、平凡な僕は思わず凝視してしまった。 遠いから無理もないけど、透先生はこっちに気づくこともなく保護者の群れの中を歩いている。 フェロモンを撒き散らしながら、門の方から職員室へと向かっていた。 保護者のお母さんたちは、透先生を振り返りながら歩いている。 ここ、本当に保育所? 透先生は挨拶をしながら、長い足であっという間に職員室へと消えていってしまった。 透先生の姿が消えると、お母さんたちは時間が戻ったかの様に動き出す。 保育所に不自然な空間が出来ていた。 透先生、本当に保育士ですか…? 透先生の顔を是非とも近くで見せてもらいたくなってしまった。 イケメン恐ろしい…。

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