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第5話 心細いの極まりない
そんな敦は身長が一七八あって、僕より十五センチは高い。
眉はきっぱりとしていて、二重の目が大きい。
この目が特徴だ。
だからといって女顔でないのが不思議だ。
どちらかというと、男らしい顔つきだ。
僕も女顔ではない。
どちらかというと、敦と違って平凡な方だと思う。
だけど童顔なせいか、高校生からも中学生?とか言われてなめられる。
顔のせいで絡まれて嫌な体験もある。
逆に助けてもらった事もあるから、なんとも言えない。
平凡で童顔とか…まさか子どもたちには、さすがになめられないだろう。
…と、信じたい。
僕たちは講義室を出て、階段を下りながら話を続けた。
「敦は担当確か、」
「あぁ。俺の担当は〇歳と一歳やからなぁ。小さいからどうしていいんか、分からんわ」
敦は溜め息をついた。
「だよね。僕は四歳、五歳の混合クラスを四日間と、あとはずっと三歳クラス。もう、ひとりぼっちっていうのが心細いよ…はぁっ」
どうして僕の所には誰も来なかったんだろう。
誰でも良いから一緒だったら心強かったのになぁ。
僕も敦と同じ様に溜め息をひとつ、ついた。
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