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第6話 頑張るしかない!

「つっても、一緒に実習ってのは無理やねんけどな」 そうなんだ。 大学が一緒でも、お互いの家はかなり距離がある。 電車通学の僕は家から短大まで約二時間。 敦は一時間弱。 そのくらい家が離れているんだから、同じ保育所へ実習へ行くなんて無理に決まっているんだ。 「こればっかりはな。頑張るしかないねや」 幼教生徒が必ず通る道なんだ。 「いつでも電話してええで」 敦が僕の肩をポンポンと叩いた。 力付けてくれているつもりらしい。 嬉しい…。 言葉ではないけれど、確実に力が湧いてくる。 「敦も頑張れっ?」 ギューっと抱きついた。 それから敦の背中を軽く叩いた。 お互い頑張ろう…?

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