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第43話

仰向けに寝かされた俺の上に相葉が圧し掛かると…… そのまま、覆いかぶさるようにキスをされた。 頬をふんわりと大きな手のひらで包み込まれ、舌が口内を蹂躙しても、それを拒む気にはなれない。 ただ与えられる優しいキスに感じていると、ぴったりと重なった下肢に熱いものを感じた。 お互いズボンの上からの熱で、肌と肌の密着はしていないものの…… 相葉の熱がじんわりと伝わってきて、身体が熱くなる。 何度もキスをされながら胸の飾りを執拗に弄られ、腰が浮く。 身体の熱を全てさらけだそうとする指先に踊らされながら、されるがまま思い切り喘いだ。 「おい、こっち見てろ。」 「え?」 潤んだ視界で見上げると、すぐそばに相葉の顔。 いつも見ている顔なのに、いつもとは違って見える。 艶のある瞳で俺を捉え、視線が重なると……ドクンと大きく心臓が弾ける。 身体中の血が沸騰しそうで、なんか……なんか変だ。 視線を逸らしたくても、こっちを見てろと相葉がすることをいちいち目で確認される。 熱い舌で身体中を舐める仕草や俺の身体がその愛撫にどう返すのか…… 指や舌だけじゃなく、視界でも犯されている気分になり、全身が溶けてしまいそうに熱い。 「あ、あ……いば。」 「あ?」 「もっと、触……って。」 「触ってんだろ?」 内腿に顔を埋めた相葉が俺を上目遣いに見下ろし、その眼をみているだけで顔が茹だる。 俺の言葉は無視して内腿を舐められ、ぴくぴくと太ももが痙攣する。 先ほどからじれったいまでに熱の中心は無視し、くすぐったいと身体を捩るとそこが蕩けるような快感を生むまでなじられる。 もう全身性感帯のように、ひとつひとつの部位をしつこく愛撫され、触られてもいない俺の蜜口からは絶え間なく透明な液が滴る。 「あ、う……んんっ!」 触って欲しいと身体を捩って主張しても、涼しい顔で足の指まで丹念に舐める相葉が憎い。 手の指先から足の指まで……ありとあらゆるところを愛撫され、既に声は枯れていた。 「我慢できない」と相葉の胸に顔を埋めて泣いていると、相葉の指がようやく後穴に指を這わす。 入り口を何度も撫でられ、それだけで欲しいと奥がきゅきゅっと締まるのが分かった。 「欲しいか?」 何度も頷きながら腰を揺らして指をいれようとすると、その指が逃げていく。 いやいやと首を振りながら相葉を見上げると、キスをされて口内を掻き混ぜられた。 「挿れて欲しいなら、ちゃんとこっち見てそう言えよ。」 優しく労わるような声で唆され、感じすぎてきつく閉じていた目を必死に開く。 汗や涙でぐしょぐしょのひどい顔で見上げると、じっとこちらを見つめる瞳に羞恥心が湧きたつ。 「あ、欲し……いっ!挿れ…て。早……くっ!!」 それでもこのままずっと抱かれていたら、精神的にも肉体的にも持ちそうにない。 恥やプライドを捨てて叫ぶようにそう言うと、額に軽くキスをされてから指がゆっくりとナカに入ってきた。 待ちわびた感触に、粘膜がうねるように収縮するのが俺でも分かる。 早く欲しいと入り口で蠢く指先を奥へ奥へと誘うと、相葉が喉奥で笑う声がした。 「ん……だ、よ。」 「いや、ずるずるだなって……。」 「お……前が、意地悪……ば、っかするからだろ?あっ!んん……っ!!」 「意地悪じゃなくて、大事に抱いてやってんだろ?」 そう蕩けるような声で言うと、指先をくりと動かした。 その瞬間、俺のモノが一気に弾ける。 「ひっ……あ!!」 イった衝撃で真っ白になった俺の眼前に、べとべとの指を見せつけられる。 粘度を確かめるように指先で糸を引く姿に、かっと顔が熱くなった。 俺に見せつけるようにその指を躊躇することなく口に含むと…… 「甘い。」の一言。 それだけで性器を舐められているような気分になり、イったばかりのそこがすぐに熱を生む。 ――なんで、こいつはこんなエロいんだ……? 男相手は俺が初めてだと思うし、経験人数的にも俺の方が断然多いはず。 それなのに、こんなにペースを乱されて、好き勝手に抱かれているのが信じられない。 「ここが好きなんだな?」 機嫌がよさそうにそう言うと、そこを何度も何度も擦られて、腰が勝手に浮きあがる。 「んあ!んんっ!!ふあっっ!!」 頭がおかしくなるんじゃないかと思うほどの快感に、広い背中に爪をたてた。 性器には触られてすらいないのに、何度も何度も怖いくらいの絶頂が訪れる。 相葉の黒いシャツは俺の精液でどろどろで、既にところどころ染みになっている。 頭も心も限界で、もういやだと泣きに入ると、相葉の指がようやく引き抜かれた。 「まあ、泣き顔見れたし……もういいか。」 相葉は何か満足した様子で唇をちろりと舐め、ベルトを外すと前を寛がせた。 その中心にあるモノにゴムを装着しているのが薄れた視界の中で見えて、一気に現実に引き戻された。 「ちょ……。」 「何?」 俺の足を大きく暴き、腰をすすめようとする相葉の胸を手で押し返したのは、かすかに残る防御本能。 「ソレ、挿れる気か?」 「さっさと挿れろって言ったのお前だろーが?」 不機嫌そうな相葉の言葉はもっともだけど、これはどう考えても俺のナカに入るとは思えない。 俺が挿入前で待てをしたのは、初めてだった。 もともとでかいとは思っていたけれど、屹立した剛直を見て流石に腰が引ける。 毒々しさすら感じるソレはあまりにも暴力的で、さっきまで飛んでいた俺の思考を冷静にさせる程のインパクトを持っている。 「バカバカ!んなでけえの無理だって!裂けるっ!!無理っ!!」 「構えんな。こんだけ緩んでたら入るって。」 相葉に腕を無理やり押し付けられ、先端が後孔に密着する。 そのまま腰をすすめられ、あまりの充溢感に息が止まった。 「や、無理!あ、あぁーー……っ!!」 粘膜を拡げて押し進めてくる感覚に、全身の毛穴から汗が噴き出す。 「やっぱ、ずるずるじゃん。」 相葉はそう言いながら腰をさらに深く押し進め、腹の中が沸騰しそうになる。 しかも、相葉に足を持ち上げられるような姿勢での挿入で、相葉のモノが自分のナカに入る姿をはっきりと見てしまい、眩暈が起きそうだ。 「んんあ、熱っ!!抜……けって!破けるっっ!!」 奥まで突っ込まれての行為はもともと苦手だったが、痛いというよりも熱い。 突き破られるのではないかという恐怖に身体をすくめると、腰を掴まれて戻された。 「おら、暴れんな。」 「ひっ!!」 ナカの粘膜と相葉の性器でねちねちとやらしい音をたて、もはやセックスではなく暴力のようにも思える。 視線を逸らすのも忘れて、結合部を凝視しながら突っ込まれたまま掻き混ぜられ、もう何がなんだか分からなくて涙が溢れる。 「あ、お……奥っ!!」 「あ?奥まで突っ込めって?」 そのまま強く腰を引かれ、目の前にちかちかと白い火花が散る。 「ち、違っ!んあぁっっ!!」 違うとかぶりをふっていても、俺の中心は萎えるどころか筋までたてながら射精を繰り返していて…… 自分でもどうされたいのか分からない。 何度イったのかも分からぬまま、全身を上下に揺さぶられ、硬い腹筋に擦り付けながらの射精は今まで味わったセックスとは別物に思えた。 「あー、またイったのか?」 「も、無理だから!抜……いて、お願っ!!」 「んなこと言っても、咥えて離さないのはお前のほうだろ?」 「し、してない!あっ……あんっ!!」 再び最奥を突かれ、その拍子に先端から白濁が飛び散る。 「またガチガチじゃん。」 「ひぃっ!やぁっっ!!」 何度も何度も俺の性器が壊れるんじゃないかと思うほど、勢いよく精液が飛び散る光景に自分が一番信じられない。 気持ちいいの限界を超えた行為に、泣きながら縋れるのは相葉の背中しかなくて…… しゃっくりを繰り返しながら悲鳴のような掠れた声が室内に響く。 「あ、身体……んあ、熱いっ!!」 「ああ、お前の腹ん中すっげえ熱いな……。」 「あ、相葉!ま、た……イ、きそっ!」 「名前で呼べ。」 「え?」 意味が分からずに相葉を見上げると、目を細めながら腫れた唇を優しく吸われる。 「司って呼びな。」 耳の奥に響く声に促され、言われたままを繰り返す。 「つ、つか……さ?」 震えるような声で呼んだ名前に、優しい笑みを浮かべたまま舌先を吸われる。 その刺激ですら、身体中がびりびりと痺れた。 「気持ちよくしてやっからマグロで寝てろ。」 身体を半分に折り曲げられるように抱きかかえられ、先ほどよりも深く抉られる。 「司、やば……あんんっ!」 名前を呼ぶたびに何度も貫かれ、何度も何度も射精したせいで俺の精液は色をなくしている。 それでも終わることのない行為が、怖くて怖くて仕方がない。 俺の名前を呼ぶ背中に思い切り爪を立てると、ナカがさらに膨張しぶるりと震える。 これだけ激しく揺さぶられてイかされたのに、まだ足りないのか思い切り相葉のモノを搾り取るように締め付ける粘膜の動きに、なんだか泣きたくなった。 ベッドの軋みが聞こえなくなり、2人の荒い息と俺の掠れた泣き声だけが聞こえる中、ようやく終わったんだと思って目を閉じると…… その瞼に優しいキスが落とされた。

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