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昼休み、僕の席に宮北くんと大木くんがきて、一緒にご飯を食べる。
「なぁなぁ宮北、この前まっつんが女連れて歩いてたらしいぜ。」
「へー。」
え。
「あのまっつんでも彼女いるんだな。」
「つーか29だろ。結婚して子供いてもおかしくないだろ。」
「だな。いーなー、彼女ほしー!な、拓馬?」
「え……えっと……うん……。」
「え⁉︎拓馬も彼女欲しいの?」
「へ?あ、えっと、ごめん、聞いてなかった……。」
そうだよね、普通のことだよね。
先生、カッコいいし、きっとモテるし。
こんなことで傷付く僕の方がおかしいんだ。
でも、胸が苦しいよ。
ズキン ズキン ズキン
早く、早く、治らないと。
「月宮?」
「どうしたん?拓真?」
「へ?」
「なんか涙目になってるよ?」
「あ……あの……えっと、ちょっと、顔洗ってくる!」
僕は立ち上がり教室を飛び出した。
涙を堪えて誰もいないところ、1人になれるところを探した。
「拓真、花粉症だっけ?」
「バーカ、花粉の時期はとっくだろ。」
「あ、そうか。」
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